研究課題/領域番号 |
19K09363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
多田羅 恒雄 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30207039)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | グリコカリックス / ヒドロキシエチルデンプン / ヒアルロン酸 / ずり / ヒドロキシエチルスターチ / 分配係数 |
研究開始時の研究の概要 |
手術侵襲時の血漿量維持のために使用されるヒドロキシエチルデンプン(HES)製剤は、炎症時には血管内皮細胞表面のグリコカリックスを崩壊させることにより臓器不全をきたす。このHES製剤がもたらす組織障害のため、現在、HES製剤の臨床使用に大きな混乱が生じている。本研究では、グリコカリックスが柔軟なゲルであることをヒントにして、血管収縮薬の併用が手術侵襲時におけるHES製剤の組織障害を軽減する可能性を検討することにより、HES製剤の臨床使用に新たな活路を見出す。
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研究成果の概要 |
ヒドロキシエチルデンプン(HES)製剤は、炎症時には血管内皮細胞表面のグリコカリックスを崩壊させる。本研究は、血管収縮薬がHESのグリコカリックス崩壊作用を弱める可能性を調べた。 HESは、グリコカリックスの成分であるヒアルロン酸溶液の貯蔵弾性率と損失弾性率を増加させた。この結果は、HESが、ヒアルロン酸溶液をより弾性的かつ粘性的にすることを示している。 血管収縮薬は、全身麻酔導入後のHESの血漿増量効果を減少させたが、ヒアルロン酸の血漿濃度に影響を与えなかった。この結果は、血管収縮薬による血圧回復が毛細血管圧を高めることにより、血管内から細胞間質への水移動を増加させたことによると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果は、重症患者においてHES製剤の過剰投与を回避し、適切なタイミングでHES製剤を投与するためのHES製剤の安全かつ効果的な使用に新たな活路を見出したと考えている。この結果は、敗血症など致死率の高い重症患者の予後を改善する一助となるため、社会に大きく貢献すると期待される。
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