研究課題/領域番号 |
19K09367
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
丹羽 英智 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (20374845)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | natural killer cell / 抗癌免疫 / レミフェンタニル / オピオイド / 癌手術 / 細胞傷害性アッセイ / ナチュラルキラー細胞傷害活性 / 細胞傷害性 / natural killer cells / 癌切除術 / remifentanil / cancer surgery / general anesthesia |
研究開始時の研究の概要 |
Natural killer (以下NK) 細胞は、生体に備わっている抗癌免疫細胞の一つであり、腫瘍細胞殺傷能力を持つ。癌切除術後にNK細胞活性を維持することが、術後の再発を減らし、患者の予後を改善する。これまでに、申請者は、麻酔薬がNK細胞活性に与える影響に関する研究を進めてきた。近年、世界的に麻酔科医が、手術麻酔の鎮痛目的に、麻薬であるレミフェンタニルを選択するようになったが、同薬のNK細胞活性に与える影響については、基礎研究レベルのデータから不足している。 本研究は、鎮痛薬、レミフェンタニルが、癌切除を受ける患者のNK細胞活性にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
Natural killer (以下NK) 細胞は、生体に備わっている抗癌免疫細胞の一つである。癌切除手術後のNK細胞活性(NKCC)を維持することが、術後の転移、再発を減らし、患者の予後を改善する可能性がある。レミフェンタニルは、その強力な鎮痛作用により、外科的侵襲ストレスを最小限に抑えることから術後のNKCCを維持する可能性があるが、同薬がNK細胞活性にどのような影響を与えるのかは不明であり、本研究の目的は、これを明らかにすることであった。今回、我々は、KHYG1ヒトNK細胞株を用いた実験系を確立し、レミフェンタニルも他のオピオイド同様、濃度依存性にNKCCを抑制することを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レミフェンタニルは、癌手術における標準的な鎮痛薬であり、日本の外科手術において最も使用頻度が高い麻薬鎮痛薬であるが、その抗癌免疫であるNatural killer cell活性(NKCC)への影響についての研究データは、基礎研究レベルから不足している。今回、我々はヒトNK細胞株を用いた基礎研究モデルを確立し、レミフェンタニルがNKCCを用量依存性に抑制することを明らかにした。生来のヒトNK細胞は、培養が難しく、多くの実験を行えないことが問題だったが、今回、培養が容易なヒトNK細胞株を使用してこの問題を解決した。このことは、今後、さらに詳細な基礎実験を行う上での利点となる。
|