研究課題/領域番号 |
19K09368
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
荻野 祐一 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (20420094)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 痛覚変調性疼痛 / 非定型疼痛 / 非定型歯痛 / 痛覚変調性 / 疼痛 / 第一次体性感覚野 / 特発性歯痛 / 抗うつ薬 / 体部位再構成 / 慢性痛 / 非器質的疼痛 / 脳 / MRI / 認知性疼痛 / 慢性疼痛 / 非定型口腔顔面痛 / 脳画像解析 |
研究開始時の研究の概要 |
非定型口腔顔面痛は代表的な「認知性疼痛」(脳内で痛みを過剰かつ過敏に認知するようになってしまった病態)です。抜歯や補綴など歯科治療を契機とするものが多く、治療として加えられた侵害刺激に比して過大な症状を呈し、日常生活が続けられないほど重症化する例も少なくなく、中年以上の女性患者に多く見られます。経験的に三環系抗うつ薬投与が有効であるが、その病態と治療機序は不明ですが、本研究では、健康被験者と非定型口腔顔面痛患者を対象に頭部磁気共鳴画像 (MRI)を取得し(患者群は治療前・後の時系列で撮影)、横断的・縦断的アップローチを組み合わせて解析し、その病態機序・治療機序を明らかにすることが目的です。
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研究成果の概要 |
非定型歯痛(Atypical Odontalgia, 以下AOと略す)患者さんを対象に頭部の磁気共鳴画像を取得し、画像解析することにより、痛覚変調性疼痛の代表疾患であるAOの病態機序が脳のplasticity(適応性・可塑性)にあると言うことを示したことに本研究の成果は尽きる。AO患者群に特異的な脳構造を明らかにし、慢性疼痛と化した神経障害性痛の病態において、第一次体性感覚野上の体部位再構成が生じることはよく知られているが、AOの病態においてもわれわれが見出した研究結果のがその病態を表している可能性は高い。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非定型歯痛(AO)は典型的な非器質的疼痛疾患であり、軽微な歯科治療を契機に長引く痛みや違和感を訴える一方、明らかな器質的原因が見当たらない。臨床におけるAO治療においては、経験的に高容量の抗うつ薬治療が有効であるが、その治療機序までは残念ながら明らかにすることが出来なかったが、痛覚変調性疼痛の代表疾患であるAOの病態機序が脳のplasticity(適応性・可塑性)にあると言うことを示したことに本研究の学術的意義がある。なぜならば「痛覚変調性疼痛」という大きな疼痛病態の概念名称は定まったものの、実際に脳内の病態を明確に示唆した研究結果は多くないからである。特にAOでは初めての報告となるであろう。
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