研究課題/領域番号 |
19K09372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鈴木 聡 岡山大学, 大学病院, 助教 (50444675)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 二酸化炭素 / 人工呼吸 / せん妄 / 全身麻酔 / 周術期 / 麻酔 / 呼吸管理 / 術後合併症 / 集中治療 |
研究開始時の研究の概要 |
せん妄は、病気や薬、入院による環境の変化、手術などの影響によって、一時的に脳がうまく働かなくなり、興奮して、話す言葉やふるまいに混乱が見られる状態で、最近の研究では、その後の経過に悪影響を及ぼすことが報告されている。 せん妄の危険因子の一つとして、脳血流の低下が考えられている。血液中の二酸化炭素(CO2)は、脳血流を規定する重要な調節因子であり、血液中のCO2が下がると脳血流が低下し、脳の傷害を助長する可能性が報告されている。 本研究では、全身麻酔による手術を受ける患者において、手術中または術後のCO2のコントロールが術後せん妄の発生に与える影響を調査する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、全身麻酔中の人工呼吸による二酸化炭素(CO2)の管理と術後せん妄の発生の関連を明らかにすることである。当院で全身麻酔下に手術を受け、術後ICUに入室した成人患者さん2,695名のデータを解析したところ、術後せん妄は9.6%で発生し、術中の呼気中CO2分圧(ETCO2)が35mmHgを下回る低CO2血症の発生と術後せん妄の発生に関連があることが分かった。この結果を受けて、術中の低CO2血症発生予防のためにETCO2の目標値を高めに設定するプロトコールを導入することで、術後せん妄の発生を予防することが出来るかを検証する研究に着手している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
術後せん妄の発生は、患者さんの長期的な経過に悪影響を及ぼす可能性が報告されており、その予防・治療に関する研究が世界中で活発に行われている。本研究では、術中の低CO2血症の発生と術後せん妄の発生に関連があることが明らかとなり、次のステップとして術中の低CO2血症を予防するプロトコールの導入の効果を検討する介入研究を行うことの妥当性を示すことができた。次に計画している研究で、術中CO2管理によって術後せん妄の発生を予防することができれば、患者さんの長期的な経過の改善や医療費の削減につながる可能性がある。
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