研究課題/領域番号 |
19K09392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
朴 恩正 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (20644587)
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研究分担者 |
川本 英嗣 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20577415)
島岡 要 三重大学, 医学系研究科, 教授 (40281133)
住吉 美穂 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (50510971)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腸管粘膜免疫 / T細胞 / 腸管上皮細胞 / エキソソーム / 細胞接着 / インテグリン / マイクロRNA / 敗血症 / 腸管上皮 / 細胞外小胞 / サイトカイン / 樹状細胞 / 盲腸結紮穿刺(CLP) / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症は感染などに起因する制御不能な全身性の炎症反応が、腸管を含む多臓器の機能不全を惹起するショック病態である。腸管上皮細胞は、炎症の波及により透過性亢進が惹起されるなど傷害を受ける標的細胞であると同時に、メディエーター分泌を介して免疫麻痺など敗血症重症化病態の形成にも関わる制御細胞としても機能する可能性が示唆されるが、その詳細なメカニズムは不明である。本研究では腸管上皮細胞の敗血症での炎症制御における役割を、エキソソーム機能に注目して検討する。
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研究成果の概要 |
敗血症での全身性炎症反応もしくは免疫不全において樹状細胞の機能が組織ごとで変化する可能性に着目した。マウスの盲腸結紮穿刺の敗血症モデルを樹立し、全身系組織の脾臓組織と腸管粘膜組織の腸間膜リンパ節から分離した樹状の機能を調べた。その結果、脾臓と腸間膜リンパ節の樹状細胞は、T細胞活性化誘導の機能が異なる可能性を示した。また、敗血症において腸管上皮由来のエキソソームが炎症性腸疾患マウスの炎症性サイトカイン分子の発現を抑制し局所での炎症を制御する可能性を確認した。特に、エキソソームのマイクロRNAが、腸管組織のTNF-alphaとIL-17Aの発現制御に働く可能性を報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題で得られた研究成果は、敗血症での樹状細胞の免疫誘導機能が全身誘導組織と粘膜誘導組織にて異なる可能性の発見であり、この研究成果をベースにして、将来、免疫反応の促進もしく抑制を目指す免疫疾患治療に向けての新しい基盤研究の設計に寄与すると考えられる。また、敗血症腸管上皮由来のエキソソームを用いての研究成果においては、腸管上皮細胞エキソソームが腸管の局所組織だけでなく、敗血症に疲弊される他器官の組織に対しての抗炎症作用や症状緩和の効果のもつ可能性を提示したことに、本研究の科学的意義があると考えられる。
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