研究課題/領域番号 |
19K09395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
阪中 雅広 愛媛大学, 医学部, 研究員 (60170601)
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研究分担者 |
朱 鵬翔 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (40380216)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 軽度外傷性脳損傷(mTBI) / ジンセノサイドRb1 / 高次脳機能障害 / 慢性外傷脳症(CTE) / 軽度外傷性脳損傷(MTBI) / 神経炎症 / 紅蔘 / ジンセノサイド |
研究開始時の研究の概要 |
軽度外傷性脳損傷(Mild Traumatic brain injury, MTBI)では、脳に明確な損傷部位を特定できない場合が多い。記憶力、注意力の低下などの高次脳機能障害がよく見られる。グリア細胞の活性化などによる神経炎症がMTBIに共通する病理所見として注目されている。紅蔘成分ジンセノサイドRb1(gRb1)及びその誘導体ジヒドロジンセノサイドRb1(dgRb1)が神経炎症抑止作用を介して脊髄損傷/脳梗塞治療効果を示した。そこで、本研究では神経炎症を主たる病態とするMTBIモデル動物を用いてgRb1及びその誘導体dgRb1の治療効果とその作用機構を検討することを目的とする。
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研究成果の概要 |
我々は軽度外傷性脳損傷(MTBI)に対する紅蔘成分ジンセノサイドRb1(gRb1)及びその誘導体ジヒドロジンセノサイドRb1(dgRb1)の治療効果とその作用機構を確認した。生理食塩液を投与したMTBIモデルマウス(対照群)に比べると、gRb1/dgRb1を投与したMTBIモデルマウス脳内の炎症因子発現とグリア細胞活性化が抑制され、MTBI後の自発運動亢進と空間認知障害が改善された。更に6か月後、gRb1/dgRb1を投与したMTBIモデルマウス脳内P-Tauの増加が対照群に比べて有意に抑えられた。慢性外傷性脳症(CTE)の発症もgRb1/dgRb1の投与により抑えられることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
軽度外傷性脳損傷(MTBI)による高次脳機能障害と続発する慢性外傷性脳症(CTE)が大きな社会問題となっているが、その経過は未だに不明である。我々の研究では、gRb1/dgRb1の投与によりMTBIモデルマウスの高次脳機能障害症状が改善された。更に約6ケ月間の長期実験で、gRb1/dgRb1を投与されたMTBIモデルマウス脳内のタウタンパク質の蓄積量が対照群より減少した。これらの結果より、MTBIによる高次脳機能障害と続発する慢性外傷性脳症(CTE)に対するgRb1/dgRb1の治療効果が明らかになった。本研究成果は、今後新たな治療法開発につながると期待される。
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