研究課題/領域番号 |
19K09406
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
高須 修 久留米大学, 医学部, 教授 (90236216)
|
研究分担者 |
平湯 恒久 久留米大学, 医学部, 助教 (00647745)
鍋田 雅和 久留米大学, 医学部, 助教 (20529523)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 敗血症 / 血小板 / 血管透過性亢進 / 血小板由来蛋白 / 血小板由来細胞外小胞 / EVカドヘリン / 血管内皮接着装置 / 血管内皮傷害 / VEカドヘリン / Angiopoietin-1 / 臓器障害 / 血管内皮障害 / 多血小板血漿 / 血小板由来小胞 / 細胞外小胞 |
研究開始時の研究の概要 |
集中治療を必要とする重症患者に生じる臓器障害の一因として、制御困難な血管透過性亢進があるが、これを制御しうる有効な手段は確立されていない。 本病態の背景として、毛細血管内皮細胞の障害、特に隣接細胞間の接着装置の異常が知られており、この正の調整因子Angiopoietin-1やSphingosine-1-phosphateのキャリアーである血小板は、細胞間接着障害の修復因子として注目に値する。本研究では、血小板由来細胞外小胞(Plt-EVs)の血管透過性亢進病態への関与を検討し、Plt-EVsをmodulateすることが過大侵襲時の血管透過性亢進に対する新規治療アプローチとなりうるか検討する。
|
研究成果の概要 |
敗血症時に血小板の活性化に伴い放出される血小板内在蛋白と細胞外小胞(EVs)の、血管内皮に対する作用は不明である。本研究では、洗浄血小板から内在蛋白、large EVsとsmall EVsの3分画を作成分離し、各作用を検討した。 内在蛋白は、傷害血管内皮のjunctionを強化し、敗血症モデルにおいて血管内皮傷害を軽減した。一方、EVsの血管内皮に対する直接作用は明らかにできなかったが、トロンビン産生能を有すlarge EVsは、血漿Gasdermin Dを増加させ、small EVs投与はGasdemin D産生を抑制したことから、炎症の制御を介し間接的に血管傷害を抑制する可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化が進む本邦では、今後、敗血症患者数の増加が予測される。敗血症時には血小板の活性化に伴い、内在する様々な蛋白や細胞外小胞が放出され、これが敗血症の病態と深く関わっている事が知られている。血小板活性化が敗血症病態の進展悪化に繋がるという考えに立てば、高齢者で服用率が高い血小板凝集抑制薬は、敗血症の予後を変える可能性もある。 一方、本研究は、血小板の活性化で放出される物質を、血管内皮傷害に対して正の制御(傷害の進行防止や回復)を示す分画と傷害性を示す分画とに分離できれば、血小板のモジュレートのもと血管内皮傷害の制御や修復をターゲットとする新たな敗血症治療法が生まれる可能性を示したものと考える。
|