研究課題/領域番号 |
19K09414
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小谷 穣治 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (80360270)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 敗血症性脳症 / IL-18 / 敗血症後症候群 / 長期予後 / 敗血症 / T細胞 / アストロサイト / 脳内炎症 / interleukin-18 |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症性脳症(SAE)は感染に続発したびまん性の脳機能障害で、重症敗血症患者の重度認知障害の発症に関与する。その発症には脳内のInterleukin (IL)や血液脳関門の破綻が関連すると示唆されるが、十分に解明されていない。本研究は、腹膜炎型マウス敗血症モデルにて①1)脳内炎症メディエーター、2)血液脳関門の破綻、3)認知機能の観点から、SAE発症のメカニズムを詳細に解明すること、②新たな治療法を探索することである。中でも、IL-1βと同じスーパーファミリーに属するIL-18に注目し、この阻害がSAEに与える影響を解析、発症メカニズム明らかにする。
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研究成果の概要 |
敗血症後症候群の緩和と治療戦略の構築を目的として、その主要因となる敗血症性脳症の発症機序とIL-18の関与について検討した。 マウスの腹腔内に盲腸内容物を注射し、敗血症を誘導した。敗血症誘導から8日目に、脳において炎症性サイトカインの有意な発現を認めたが、IL-18は変化が認められなかった。脳の炎症を惹起すると予測されるミクログリア、アストロサイト、好中球、単球、およびγδT細胞は、敗血症誘導後、すぐに脳内に増加した。 敗血症誘導から一週間後に行った行動試験において、有意な認知、精神、運動機能の低下が認められた。敗血症誘導から半年後に行った行動試験において、顕著な認知と運動機能の低下が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医療技術等の革新により敗血症生存者は増加している一方、彼らの予後は不良である。モデルマウスの実験では、本研究においてターゲットとしていたIL-18は残念ながら顕著な変動は認められなかったが、敗血症性脳症の発症や緩和に脳で増加するT細胞が関与することが明らかとなり、新たな治療ターゲットとして提案することができた。 また、これまで敗血症誘導から一年以上経過したマウスの行動試験を行った知見は、本研究以外にはない。有意ではなかったが敗血症マウスの生存率の低下や、顕著な認知、運動機能の低下が認められたことは、一部、ヒトにおける既知の知見と合致した。今後、治療モデルとして貢献できると考えられる。
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