研究課題/領域番号 |
19K09416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
青景 聡之 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (30822358)
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研究分担者 |
中尾 篤典 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40648169)
大澤 郁朗 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (30343586)
宮原 信明 岡山大学, 保健学域, 教授 (70335610)
石川 倫子 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40566121)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 水素ガス / ブレオマイシンモデル / 急性肺障害 / 急性呼吸促迫症候群 / 水素 / 間質性肺炎 / 肺線維症 / 急性呼吸窮迫症候群 / ブレオマイシン処理マウス |
研究開始時の研究の概要 |
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、炎症や活性酸素が介在し、数週間かけて肺の線維化に至る。集中治療で遭遇機会の多い疾患にもかかわらず、その進行を抑制する有効な治療がない。水素はヒドロキシラジカルを減少させ、抗酸化作用を認めることが知られている。同様な機序で、ARDSによる持続的な酸化ストレス暴露に対しても抗酸化作用を介し、肺保護効果を示す可能性がある。本研究は亜急性期から慢性期の水素吸入による肺線維化抑制効果を検証すること目的とし、ブレオマイシン処置マウスを用いて、最適な水素投与時期(急性期・亜急性期・慢性期)を探索しながら、遠隔期の肺線維化と肺機能に与える影響を評価する。
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研究成果の概要 |
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)では持続的な炎症により慢性期に肺胞線維化が生じる。抗炎症作用のある水素の吸入により、肺線維化を抑制できると考え、本研究を計画した。ARDSを模したブレオマイシン(BLM)肺傷害モデルに対して水素ガス吸入を1日6時間、21日間行い、呼吸生理、組織、炎症マーカー、およびマクロファージ(Mp)の表現型を調べた。 水素投与群(BH群)では、対照(BA群)よりも高い静的コンプライアンスを示した。BLM投与7日後のIL-6、IL-4、IL-13 mRNA解析では、BH群はBA群より有意に低下した。組織解析ではBH群の肺胞間質におけるM2様Mp数は、BA群に比べ有意に低かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の高齢化社会の進行に伴って、肺炎患者は増加の一途であり、その中にはARDSに進展するものも少なくない。一方で、重症化した場合に要する集中治療管理や人工呼吸管理の物的・人的リソースは限られており、またそれらの医療費は莫大である。ARDSの重症化を抑制する新規治療法の開発機運は高まってきている。本研究の社会的意義としては、 ARDSの患者に水素ガスを吸入させることで慢性期の線維化を抑制し、生命予後やADLの改善が期待されることにある。また、学術的意義の側面では、水素ガスの抗炎症効果の機序として、肺胞マクロファージ内のIL-6分泌抑制とその後のM2様マクロファージの分極抑制の重要性が示唆された。
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