研究課題/領域番号 |
19K09433
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
中橋 奨 三重大学, 医学部附属病院, 技術補佐員 (40761896)
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研究分担者 |
志馬 伸朗 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (00260795)
高橋 理 聖路加国際大学, 専門職大学院公衆衛生学研究科(公衆衛生大学院), 教授 (60505030)
今井 寛 三重大学, 医学部附属病院, リサーチアソシエイト (00184804)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 医療の質 / 医療の質指標 / サーベイランス / VAP / VAE / 人工呼吸器関連肺炎 / 人工呼吸器関連事象 / 集中治療 / 呼吸管理 / 人工呼吸器関連事象(VAE) / 人工呼吸器関連肺炎(VAP) / 呼吸器合併症 / 人工呼吸 / ICU / Quality indicator(QI) / 人工呼吸器関連事象(VAE) / 人工呼吸器関連肺炎(VAP) / 人工呼吸関連事象/人工呼吸関連肺炎 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、VAEの『本邦QIとしての妥当性・実用性』を解明し、臨床展開への基盤を確立する為の、臨床研究である。本研究の成果を基盤に、本邦ICUにVAEを新たなQIとして確立し、そのサーベイランスによる“持続的な医療の質改善活動(Quality management system)”を構築する。これを通じICU管理の質を高め、患者予後改善へと発展させる事が最終到達点である。
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研究実績の概要 |
新たなICUのQIとして、VAEの妥当性を評価している。VAEのサブタイプの一つであるPVAPの予後との関連性を同定できた。【方法】18施設のICUにおいて、VAEサーベイランスの項目を含めた症例登録を行い、PVAPの発生率や、関連因子について検討した。対象は2020年5月~2022年12月において各施設のICUで人工呼吸を3日以上受けた患者とした。PVAPの定義については米国CDCの定義に準拠した。【結果】1,099名が登録され、PVAP患者は22名(2.0%)で発生率は2.1/1,000人工呼吸器日、発生日の中央値は7.5人工呼吸日だった。PVAP患者と非PVAP患者の背景と予後の比較を以下に示す(いずれも中央値):年齢(70歳 vs 69歳)、入室時SOFA(10.5 vs 8.0)、術後患者(40% vs 37%)、要気管切開(54% vs 29%)、鎮静薬フリー日数(0日 vs 20日)、抗菌薬フリー日数(0日 vs 19日)、人工呼吸器フリー日数(0日 vs 20日)、ICU日数(17.5日 vs 9.0日)、院内死亡率(54% vs 26%)、ICU死亡率(45% vs 11%)。生存曲線比較を行うと、有意にPVAPの累積生存率は不良であった(P=0.02)。多変量解析の結果は、院内死亡OR3.31(95%CI,1.65-6.62)。ICU死亡OR.31(95%CI,3.01-13.2)であり、有意に予後との関連性が認められた。病院タイプ(市中・大学)、ICUモデル(Low-・High-intensity)、常駐医師や集中治療医学会専門医師の配置などの環境要因からPVAP発生状況を探索したが、明らかな傾向は認めなかった。【結語】PVAPの発生率は高くないが予後に悪影響を及ぼす事が明らかとなった。 この結果は、第51回日本集中治療医学会学術集会パネルディスカッションにパネラーとして参加し発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当該研究はICUで実施される研究であり、コロナパンデミックの影響を直接かつ大きく被ったため遅れている。また23年以降もコロナ患者は散発し、研究実施に悪影響を及ぼしている。
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今後の研究の推進方策 |
本解析は終え、確認を行っている。確定次第、本解析に関する論文を投稿する予定である。 また本研究のプラットフォームである日本呼吸療法医学会の全国学術集会にて公表する予定である。なお併行して、二次解析実施準備が整ったので、これを進める。
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