研究課題/領域番号 |
19K09442
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
宮本 和幸 昭和大学, 医学部, 准教授 (80555087)
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研究分担者 |
大滝 博和 昭和大学, 医学部, 准教授 (20349062)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 熱中症 / 中枢神経傷害 / 小脳 / 大脳皮質 / 中長期 / 急性期 / 遅発性 / 脱髄 / プルキンエ細胞 / シナプス / 脳血管関門 / マクロファージ / Prukinje細胞 / 小脳失調 / 凝固因子 / Xa阻害薬 / 直接トロンビン阻害薬 / ICR / C57BL6 / 敗血症 / 血液・凝固 / 抗凝固薬 |
研究開始時の研究の概要 |
重症熱中症は、多臓器傷害となるが、早期の冷却以外に有効な治療法はない。申請者らは重症熱中症の診療に携わる中で、急性期死亡や後遺症で社会復帰が困難な症例を経験し、病態の解明と治療法確立の必要性を痛感している。重症熱中症は凝固・線溶異常を合併し、病態は敗血症に比較的近いとされているが、実はその病態についてはよくわかっていない。本研究は熱中症の集学的治療の方策の開発を目的とし4つの問い、問1)熱中症で凝固・線溶異常・血管内皮傷害は起きるのか?問2)敗血症とはどこが違うのか?問3)熱中症の最適な治療は何か? 問4)もともと凝固異常のある状態で熱中症となった場合はどうなるのか?その治療は?を解明する。
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研究成果の概要 |
熱中症後の遅発性小脳失調の病態はよくわかっていない. マウスを熱中症群(HS), 対照群(Ct)にわけRotarodをおこなった. また, 小脳のKB染色による脱髄, Purkinje (PJ)細胞数定量, PSD-95, Synaptophysin(Syn)抗体を用いたシナプス傷害を検討した. HSでは3週後に協調運動障害が出現した. 脱髄はHSで1,3週後に有意に同定され, 9週で改善した. HSのPJ細胞数は1, 3,9週で有意に低下した. PJ細胞周囲のPSD95, Syn発現は熱中症後3週間で最も低下した. PJ細胞減少, 一時的な脱髄・シナプス傷害が関連していることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト熱中症では,集学的治療で急性期を乗り越えても, 数週間後の遅発性の神経傷害から離床が進まないことを経験する. 特に, 高齢者では, 離床の時期にリハビリが進まず, ADLが大幅に低下し, もとの生活に戻れないことを多く経験する. 熱中症後に小脳症状が出現することはよく知られているが, 病態についてはほとんどわかってこなかった. 本研究では, マウス熱中症モデルを用いて, 遅発性神経傷害に小脳のPurkinje細胞の脱落, 脱髄, シナプス傷害がおきていることをはじめて報告した. 今後, 熱中症後の神経炎症を抑える方法を見出すことで, 新たな治療戦略の構築につながると考える.
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