研究課題/領域番号 |
19K09446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
辻 琢己 摂南大学, 薬学部, 准教授 (90454652)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 急性薬物中毒 / Lipid therapy / クロミプラミン / lipid therapy |
研究開始時の研究の概要 |
クロミプラミン(CMI)による急性中毒に対する脂肪乳剤の解毒効果を明らかとする.即ち,Wister系ラットに脂溶性薬剤としてCMIを投与し,臨床応用を目指す.具体的には, 1)CMIを静脈内あるいは経口投与したWister系ラットに,脂肪乳剤を持続静脈内投与し血液中および組織内のCMI量を測定する.これにより,脂肪乳剤の投与がCMIの組織移行を抑制することを明らかとする. 2)体温低下,血圧低下等の中毒症状を呈するCMIの投与量を調べ,脂肪乳剤の持続静脈内投与がこれらの症状を抑制することを明らかとする. 3)上記の結果をもとに最も安全性が高く,かつ,解毒効果の高い投与レジメンを動物実験で構築する.
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研究成果の概要 |
クロミプラミン(CMI)による急性中毒に対する治療方法(解毒方法)として,脂肪乳剤の静脈内投与(lipid therapy)の有用性に関する基礎的研究を行なった.その結果,lipid therapyによって,1)CMIを血液中に留め,肝臓中及び脳中への移行を抑制できること,CMIの過量投与によって生じる2)体温低下を抑制し,3)不整脈(QT延長等)の発症を抑制できる可能性を示した.これらの結果から,lipid therapyを実臨床に還元するための基盤となる基礎的研究成果を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,脂溶性薬物の過量服用に対する治療方法(解毒方法)として,脂肪乳剤の静脈内投与(lipid therapy)が注目されている.しかし,lipid therapyの最適な投与方法および安全性等は明らかにされておらず,我が国では臨床応用まで辿り着いていない.本研究では,脂溶性薬物として三環系抗うつ薬であるクロミプラミン(CMI)を用いて,lipid therapyの有用性について調べた.得られた結果は,lipid therapyをCMIだけでなく脂溶性薬物中毒全般の治療に還元するための基盤となる成果と考えられる.
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