研究課題/領域番号 |
19K09451
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岩立 康男 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70272309)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 脳腫瘍 / ウイルス療法 / ナノ・キャリア / 腫瘍特異的免疫 / ICG リポソーム / センダイウイルス / 抗腫瘍免疫 / グリオーマ / 光線力学療法 / 免疫療法 / ナノキャリア / ウイルス / 光線力学 |
研究開始時の研究の概要 |
isher rat-9L gliosarcomaの系による脳腫瘍モデルを作製し、腫瘍融解ウイルスを封入したICG-Liposomeと近赤外線照射による治療を行い、脳腫瘍に高濃度でウイルスを分布させることで得られる治療効果と安全性を確認する。摘出脳における病理組織学的検索、免疫担当細胞の浸潤量やマイクログリアの活性化に関する免疫組織化学などにより確認する。安全性の確認には、①長期間にわたる実験動物の行動・神経症状の観察、②MRIによる神経変性・壊死および脳浮腫の有無の確認、③脳を含めた種々の臓器の病理組織検査等を行う。
|
研究成果の概要 |
ウイルス療法は脳腫瘍の治療法として注目されている。キャリアとして開発したICG-リポソームは、脳腫瘍局所に集積し、光照射によって開裂して細胞死を誘導する。このときCD-8 T細胞を主体とする免疫細胞の局所浸潤とheat-shock protein-70 (HSP-70)の高発現が確認された。一方で、ウイルス療法ではマクロファージも高浸潤が認められたが、HSP-70の発現は見られなかった。HSP-70はToll-like receptor-4 (TLR-4)のリガンドであり、ICG-リポソームとウイルス療法の併用は、自然免疫系を活性化して獲得免疫へとつなげる強力な免疫療法となることが期待される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膠芽腫は難治性腫瘍の一つであり、また神経機能の低下を伴うことが多く、腫瘍細胞特異性の高い治療法の開発が求められている。ウイルス療法は有効な治療法として注目されるが、更なる治療効果の向上が必要である。我々は、光感受性物質を結合させた脂質膜をそのキャリアとして用いることによって、ウイルスによる自然免疫の発動を強化できることを見出した。
|