研究課題/領域番号 |
19K09454
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
深見 忠輝 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40378451)
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研究分担者 |
野崎 和彦 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (90252452)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | グリオーマ幹細胞 / quiescence / Quiescence |
研究開始時の研究の概要 |
グリオーマの治療抵抗性の原因の1つとして関心を集めているのがグリオーマ幹細胞である。この幹細胞は腫瘍中に少数存在し、未分化な状態でほぼ分裂しないため、細胞分裂の際に細胞死を誘導する標準治療を免れると考えられるが、幹細胞の未分化性維持や細胞周期調節の分子機構は明らかではない。正常神経幹細胞で未分化性と細胞周期を調節するエピゲノム因子Rnf20に注目し、ヒトグリオーマ幹細胞でのRNF20の機能を解明することによるグリオーマ幹細胞がQuiescenceを獲得するメカニズムや、RNF20発現の制御によるQuiescence解除の方法に関する知見は、幹細胞を標的とした新規治療法開発に繋がると期待できる。
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研究成果の概要 |
未分化な静止期(quiescence)にある少数のグリオーマ幹細胞は、標準治療抵抗性を示す予後不良の1要因と考えられている。ヒストンH2Bモノユビキチン化酵素RNF20は、マウス神経幹細胞のquiescenceを制御するエピゲノム因子として知られているが、グリオーマ幹細胞におけるRNF20の役割は不明であった。本研究では、患者由来ヒトグリオーマ細胞を用いてRNF20の発現変動とquiescenceに及ぼす影響、および腫瘍悪性度について検討した。その結果、RNF20はその発現変動によりグリオーマ幹細胞のquiescence誘導・解除を直接制御することが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗がん剤や放射線照射は増殖グリオーマ細胞を死滅させるが、分裂しないために生き残ったグリオーマ幹細胞は再び分裂を開始して大量のグリオーマ細胞を供給すると考えられている。したがって、根本的治療を目指した治療法の開発には、グリオーマ幹細胞のquiescenceをいかに制御するかが重要課題である。本研究はこの問いの解明と重要因子のメカニズム解明を行なった。その結果、エピゲノム因子RNF20が未分化性や細胞周期の調節に寄与し、グリオーマの増殖や浸潤などの悪性度を規定するquiescenceのゲートキーパーである可能性が示唆され、今後のエピゲノム分子を標的とする治療法発展に貢献できた。
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