研究課題/領域番号 |
19K09460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
花谷 亮典 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (60304424)
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研究分担者 |
坂元 顕久 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (30404479)
細山 浩史 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (70593648)
吉本 幸司 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70444784)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | てんかん原性 / mTOR / Tauタンパク / ミクログリア / infantile tauopathies / 薬剤抵抗性てんかん / てんかん原性領域 |
研究開始時の研究の概要 |
薬剤抵抗性てんかんに対して外科治療を行った患者の摘出組織を用いて、mTORおよびTau関連蛋白の発現を測定し、mTORとTauが皮質形成異常群におけるてんかん原性獲得に果たす役割を明らかにする。また、局所ミクログリアの増加が細胞障害あるいは細胞保護のいずれに作用しているかを検討する。さらに、摘出組織を用いた研究所見と、術後転機を含めた臨床所見、Met-PET所見との対比を行い、これら薬剤抵抗性てんかんを生じる皮質形成異常群において、てんかん原性領域でMetが集積する機序を解明する。
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研究成果の概要 |
Infantile tauopathiesによる頭蓋内病変(限局性皮質形成異常症、結節性硬化症、片側巨脳症、神経節細胞腫)を伴う薬剤抵抗性てんかんでは、てんかん原性となる皮質病変でミクログリアの活性化が認められた。同部位では炎症を示すHGMB-1の発現や、dysmorphic neuronの存在が顕著であった。Tau蛋白とmTORは、症例毎に発現の差がみられた。 また、頭蓋内病変では、薬剤抵抗性てんかんを呈する患者の60%以上でメチオニンPETの集積亢進がみられるが、Tau蛋白やmTORの発現と、メチオニン集積や形成異常部位特異性・局所ミクログリア活性化との間に明確な相関は検出できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非腫瘍性病巣ではメチオニンが高集積を示すことを発見し、その機序として、てんかん原性を形成する局所炎症反応の亢進・ミクログリアの活性化に注目してきた。Infantile tauopathy群にみられるSC1/TSC2遺伝子異常により誘導されるmTORやTauの異常は、皮質形成異常領域でのてんかん原性獲得過程で、局所炎症を介しすることが示唆された。Infantile tauopathyに伴うてんかんは、遺伝子異常を背景としながらも、局所のコントロールによりてんかん発作の抑制が可能な疾患群であることを支持し、こうした疾患群ではメチオニンPETがてんかん原性領域の検出に適していることを示した。
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