研究課題
基盤研究(C)
星細胞腫や二次性膠芽腫の~70%が、IDH1/2遺伝子の機能獲得型変異をもつ。変異型IDH特異的な阻害剤も開発され臨床試験が行われているが、早くもIDH遺伝子の再変異による獲得耐性が問題となっている。従い、IDH変異グリオーマにおいて、IDH阻害以外の標的シーズを開発するニーズは高い。一方、IDH変異グリオーマは、ある代謝干渉に対し、著しく脆弱であることが示唆されている。そこで、本研究では、培養系および前臨床モデルにて、上記代謝干渉の治療効果を検証する。
星細胞腫や二次性膠芽腫の~70%が、IDH1/2遺伝子の機能獲得型変異をもつ。変異型IDH特異的阻害剤も開発されているが、獲得耐性が問題となっている。一方、IDH変異グリオーマは、ある代謝干渉に対し著しく脆弱という報告がある。この代謝脆弱性の検証を行った。その結果、「IDHの機能獲得変異がNAPRT発現低下を引き起こしてPH経路が不活化され、その結果NADサルベージ阻害に脆弱となる」という既報モデルは、少なくとも、全ての例に当てはまる訳ではないことが強く示唆された。
変異型IDH特異的な阻害剤が開発されて臨床試験が行われているが、早くもIDH遺伝子の再変異による獲得耐性が問題となっている。そのような治療耐性化がんの出現に備える新規治療を開発する意義は大きい。今回、IDH変異とNAD代謝に関し、既報の内容を再現することはできなかったが、代わりに様々な関連形質を明らかにすることができた。今後それら知見をさらに発展させることで、IDH変異グリオーマに対する新規代謝ターゲット治療への途が拓けると期待される。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件)
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