研究課題/領域番号 |
19K09475
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
前原 健寿 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40211560)
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研究分担者 |
藤原 幸一 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10642514)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | てんかん発作予知 / 心拍変動(HRV)解析 / 頭蓋内電極 / 部分てんかん / 広帯域脳波解析 / Autoencoder (AE) モデル / 定位的頭蓋内脳波 / てんかん / 発作予知 / 頭蓋内脳波 / 心電図 / 心拍アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
本邦のてんかん患者のうち、約30万人は抗てんかん薬も外科治療も奏功せずてんかん発作に苦しんでいる。我々は心拍変動を解析して、てんかん発作を予知し、臨床発作の消失、軽減を行うシステム開発に取り組んできた。しかし発作の際の心拍変動発生の機序や、偽陽性(誤検知)の問題など、臨床応用に際して解決すべき問題が残っている。我々はこの問題に対して、頭蓋内留置電極を用いて心拍変動による発作予知を行い、広帯域脳波解析を用いて解決することとした。本研究は国際的にも最先端を走っている心拍変動を用いたてんかん発作予知システムを、最先端の広帯域脳波測定で解析することで、世界に先駆けた研究成果をあげることが期待される。
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研究成果の概要 |
頭蓋内脳波を用いて心拍変動(HRV)解析による検討を行い、機序の解明とてんかん発作予知精度の向上を目指した。2019年5月から2022年1月に11人の患者に12回の頭蓋内電極を用いた皮質脳波記録を行い発作予知の感度は平均78%、偽陽性は平均1.42回/hrと頭皮脳波とほぼ同等であった。このことから頭蓋内脳波で記録される発作より以前に、脳内に発作を誘発する何らかの変化が起こり、心拍変動を生じているのであろうと推測できた。また臨床症状を伴わない電気的発作(electrical seizure)も予知可能であったことから頭皮脳波で偽陽性とされた場合でも、実際には発作である症例が存在すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
てんかんは全人口の1%が罹患する疾患で日本だけでも約30万人の患者はてんかん発作が制御できずに苦しんでいるのが実情である。我々は心拍変動を解析しててんかん発作を予知し、臨床発作の消失、軽減を行うシステム開発に取り組んできた。今回、頭蓋内電極を用いた解析を行い、心拍変動はてんかん発作以前に起こることを証明した。また頭皮脳波で偽陽性とされた場合にも頭蓋内脳波では臨床症状を伴わない電気的発作である可能性も示唆された。今回の検討で心拍変動によるてんかん発作の機序が一部解明されたことは、本システムの臨床応用につながり、てんかん患者に対する非侵襲的な発作予知への道を開くものと考えられた。
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