研究課題/領域番号 |
19K09480
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
麻生 俊彦 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 副チームリーダー (50397543)
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研究分担者 |
上野 智弘 京都大学, 医学研究科, 助教 (10379034)
菊池 隆幸 京都大学, 医学研究科, 助教 (40625084)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 機能的MRI / ラグマッピング / 脳血流 / 老化 / 静脈排出 / 脳腫瘍 / MRI / 血流ラグマップ / 安静時fMRI / 脳動静脈奇形 / ApoE遺伝子 / アルツハイマー病 / 血流ラグマップ |
研究開始時の研究の概要 |
新規に開発したMRIによる造影なしの脳血流マッピング法を改良し、またその活用として腫瘍や血管奇形といった脳の占拠性病変の治療に役立つバイオマーカーを開発する。従来の検査と比べMRIは身体への侵襲がないため、それだけで予後予測や病態のモニタリングを行えることが望ましい。同時に健常者でデータを取りやすいことから、機械学習による探索的アプローチで、今後進展が期待される個別化医療への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
申請者らが開発したMRIによる造影剤不要の脳血流マッピング法を利用した、新たな複合バイオマーカーの探索が本研究の目的であった。期間中に本手法の根本原理である機能的MRIにおけるヘモグロビン変動の寄与について新たなモデルを提唱した。臨床においては脳血管障害の重症例で有用な血流遅延のマーカーとなること、さらに静脈排出異常を通じて交通性水頭症や、その原因となる外傷性脳損傷で病態を反映することを発見した。脳損傷では若年者ほど影響が強いことから、すでに報告した加齢変化とのメカニズムの重なりが示唆された。予定していた脳腫瘍や血管奇形における検討は、パンデミックによって症例が蓄積されず、完了しなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血流ラグマッピングは、脳の中で血液が流れるタイミングを画像にした新しい手法である。我々はこの方法を用いて、静脈の排出が年齢とともに変化することを初めて見出した。さらに外傷や水頭症といった病気でも、この「ラグマップ年齢」は加速する。しかも外傷を受けた年齢が若いほど影響が大きいため、加齢変化のメカニズムは外傷によって起こることと重なっている可能性が高い。脳が老化することのメカニズムの解明につながる発見である。 このラグマップはMRIだけで作成でき、身体に負担がないため、たとえば人間ドックに導入すれば健康な人の老化を推定するマーカーとして応用でき、またそれに基づくアンチエイジング研究も考えられる。
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