研究課題/領域番号 |
19K09485
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
篠島 直樹 熊本大学, 病院, 講師 (50648269)
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研究分担者 |
市村 幸一 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40231146)
田崎 雅義 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (50613402)
武笠 晃丈 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (90463869)
藤本 健二 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (70844413)
大田 和貴 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (60794469)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ポリグルタミル化 / 悪性脳腫瘍 / エピジェネティクス制御 / ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / ポリグルタミル化制御 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
ポリグルタミル化は可逆的蛋白修飾の一つで、一般にがん細胞ではポリグルタミル化が高率に生じている。申請者は中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)においてポリグルタミル化の程度にはばらつきがあり、ポリグルタミル化が高率であればMTX療法の治療効果が高いことを初めて見出した。ポリグルタミル化を人為的に制御できればMTXの治療効果を最大限に引き出せると考えられるが、ポリグルタミル化制御の詳細な分子メカニズムはわかっていない。そこで本研究ではPCNSLや膠芽腫などの悪性脳腫瘍におけるポリグルタミル化制御の分子メカニズムを明らかにし、ポリグルタミル化制御を基盤とした新規治療法を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究ではポリグルタミル化(PG化)制御の分子機構を明らかにし、悪性脳腫瘍、特に中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)におけるPG化制御を基盤とした新規治療法を開発する。 ヒト由来リンパ腫細胞株とエピジェネティクス制御化合物であるヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDAC阻害剤)を用いてPG化制御にエピジェネティクスが関与していることを見出した。HDAC阻害剤によりPG化誘導酵素のFolylpoly-gamma-glutamate synthetase (FPGS)と脱PG化酵素のgamma-glutamyl hydrolase (GGH)の発現の比、即ちFPGS/ GGHが増加した。また細胞をメソトレキセート(MTX)とHDAC阻害剤で処理するとPG化MTXの増加が確認された。PG化制御にエピジェネティクスが関与している可能性が強く示唆された。さらにMTXとHDAC阻害剤を併用しMTXのPG化を誘導した場合の抗腫瘍効果をin vitro及び in vivo(ヒト由来リンパ腫細胞株のnude mice皮下及び脳移植モデル)でMTXとHDAC阻害剤併用による抗腫瘍効果の増強が確認された。以上を2020年に英語論文化し報告した(Neurooncol Adv. 2020 Jul 3;2(1):vdaa084. doi: 10.1093/noajnl/vdaa084)。 共同研究施設ですでにRNA-seqによる網羅的遺伝子解析が行われたPCNSLの解析データと臨床サンプルを収集しPG化解析を行った。PG化に関与する可能性のある遺伝子をある程度絞り込んだ(候補遺伝子は未公開)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ポリグルタミル化に関与する可能性のある遺伝子の絞り込みに時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
絞り込んだポリグルタミル化関連候補遺伝子の蛋白レベルでの発現を臨床サンプルを用いて免疫染色で評価し、ヒト由来リンパ腫細胞における発現もimmunoblotsで検証する。その際培養細胞をHDAC阻害剤で処理し、処理前後でPG化に伴い候補遺伝子の蛋白発現が変化するか検証する。逆に絞り込んだPG化関連遺伝子をshRNAでノックダウンしPG化が変化するか検証する。同定されたPG化関連分子の阻害剤があれば細胞実験でPG化を促進する薬剤を見出し、アニマルモデルで検証する。
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