研究課題/領域番号 |
19K09489
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
中川 一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (20550825)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Meratonin / Postconditioning / patchclamp method / Melatonin / Ischemic PostC / MTPT / patch clamp / Post-conditioning / ischemic tolerance / melatonin / neuroprotection / mitochondria / calcium / wholecell recording / 虚血耐性現象 / ミトコンドリア / メラトニン / ミトコンドリア膜電位 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに我々は虚血耐性現象の詳細な機序としてミトコンドリア局在KATPチャンネルの活性化がミトコンドリアpermeability transition pore (MPTP) の一過性開口を誘導し、細胞膜NMDA受容体のdown-regulationを来すことで神経保護効果をもたらすことを解明した。一方ミトコンドリア細胞膜に存在するメラトニン受容体作動薬はミトコンドリア膜電位を適切に調節し神経保護効果をもたらすことが知られている。今回申請者はメラトニン受容体の虚血負荷に対する神経保護効果のメカニズムについて電気生理学的に明らかにし、将来的な急性期脳梗塞に対する創薬へつなげたいと考えている。
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研究成果の概要 |
マウスを用いコントロール群、メラトニン誘導による薬剤性PostC(メラトニン群)、メラトニン受容体(MT)作動薬群、メラトニン+MT阻害薬群、MT作動薬+permeability transition pore(mPTP)阻害薬群で比較した。 結果はメラトニン群はsEPSCの急増を抑制し、NMDA受容体電流はメラトニン群やMT作動薬群で減少したが、MT阻害薬併用群やmPTP阻薬併用群では認められなかった。ミトコンドリア膜電位はメラトニン群やMT作動薬群における蛍光比の変化率が有意に高くメラトニンはMTを介した機序でNMDA受容体活性を低下させ、神経保護効果をもたらすことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
虚血耐性現象(PostC)は、致死的な虚血負荷の後に間欠的な虚血負荷を加え、再灌流後障害を抑制する現象である。メラトニンは概日リズムを調節するホルモンだが、その神経保護効果も近年注目されている。今回、マウスの海馬錐体細胞でメラトニン誘発性PostCの効果について検討した。本研究の結果メラトニンはsEPSCやNMDA誘導電流の増加、細胞質内Ca2+濃度上昇等を抑制して神経保護をもたらすことが分かった。さらにその機序がMT受容体やmPTPを介したものであり、ミトコンドリア膜電位の変化も関与していることが分かった。よってメラトニンはMTを介して神経保護効果をもたらすことが示された。
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