研究課題/領域番号 |
19K09490
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐々木 光 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70245512)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | グリオーマ / 神経膠腫 / 化学療法 / 幹細胞 / マクロファージ / 乏突起膠腫 / 1p/19q / CGH / 1p/19q codeletion / 術前化学療法 / CNV / 分子生物学的分類 / 遺伝子 / 個別化治療 |
研究開始時の研究の概要 |
脳腫瘍の新WHO分類では分子診断が導入され、神経膠腫はIDH変異と1p/19q codelに基づい て分類される。しかし、新分類のどのentityにも該当しない腫瘍が少なからず存在し、また 一つのentityの中でも治療反応性や予後は依然として多様である。また、化学療法反応性が 高いとされる乏突起膠腫も、再発は必至であり、再発メカニズムの解明が必要である。本研究では1)アルキル化剤治療後残存腫瘍の特性を解明することによる、神経膠腫の再発メカニズムの解明、2)形態学的乏突起膠腫の分子生物学的・臨床的特徴の解明、3)CNVクラスター解析による神経膠腫の細分類と再発分子経路の解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
1)アルキル化剤による化学療法後の乏突起膠腫標本では癌幹細胞比率とM2マクロファージが増加していること、そのため、これらが化学療法耐性および再発に関与している可能性が示された(J Neurooncol)。 2)WHO grade 2, 3神経膠腫における形態に基づく乏突起膠腫の診断は、IDH-1p/19qに基づく3分子分類のいずれにおいても独立した予後因子ではないことが確認された (Brain Tumor Pathol)。 3)グリオーマ143症例において、全染色体540座位におけるコピー数異常(CGH解析)に基づき、階層クラスタリング解析を行なった(結果検討中)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乏突起膠腫は化学療法に対する反応性が比較的高いが、必ず再発し、ほとんどの患者が死に至る。同腫瘍における化学療法耐性メカニズム、再発のメカニズムの一部を解明したことにより、新たな治療法の開発や患者予後の改善が期待される。 形態学的な乏突起膠腫の診断・特徴は、それ自体が予後因子である可能性について、長く議論されてきた。今回、形態学的乏突起膠腫は独立した予後因子でないことが改めて示され、一方で、分子診断の重要性が再確認された。グリオーマにおける染色体コピー数異常に基づく階層クラスタリング解析の報告は、我々の知る限り認められず、その結果が興味深く待たれる。
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