研究課題/領域番号 |
19K09501
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
工藤 琢巳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (90632125)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 悪性髄膜種 / 解糖系酵素 / PGK1 / 糖代謝 / 悪性髄膜腫 / 細胞内エネルギー代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
①悪性髄膜腫細胞株を用いて糖代謝経路を評価する。機能既知化合物のうち、代謝シフトを抑制する化合物を同定する。②PGK1の過剰発現細胞株、CRISPR-dCas9システムを用いた発現抑制株を用いて、代謝シフトの機序の評価を行う。③RIKENより購入した悪性髄膜腫細胞株であるHKBMM細胞を免疫不全マウスの脳へ移植し動物モデルの樹立を行う。④本研究で有力な薬剤候補が発見された場合、時間的猶予があれば作成した動物モデルを用いて薬剤効果を判定する。作成した動物モデルに対し、尾静脈内投与、腹腔内投与、経口投与などにより薬剤を投与し、その効果判定を生存時間解析および腫瘍の計測をもって行う。
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研究成果の概要 |
先行研究により最も悪性髄膜腫に影響を与える遺伝子として解糖系酵素であるPGK1(Phosphoglycerate Kinase 1)が同定された。本研究目的では分子細胞生物学的手法を用いて、悪性髄膜腫発生におけるPGK1の関与について調べた。培養細胞を用いた研究からPGK1はより細胞増殖を促すことが分かった。メタボローム解析からPGK1を抑制すると解糖系のPGK1の下流の分子の発現が抑制されたが、TCA cycleの分子の発現量は一定の傾向が得られなかった。以上からPGK1は悪性髄膜種の発生に寄与していることが示唆されるが、必ずしもエネルギー代謝に依存してはいないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
髄膜腫は原発性頭蓋内腫瘍のうち最も発生頻度の高い腫瘍の一つであり、悪性髄膜腫は再発率が高く、生存予後も満足のいくものではない。本研究により悪性髄膜腫に解糖系が関与しており、PGK1は悪性髄膜腫の治療標的になりうることが示唆された。今後PGK1や解糖系酵素を標的とした治療方法を確立することで悪性髄膜腫の予後の改善が期待される。
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