研究課題/領域番号 |
19K09511
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 晋之 九州大学, 大学病院, 助教 (80713742)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ペリサイト / 細胞外マトリックス / 脳梗塞 / 組織修復 / 血液脳関門 / 慢性虚血 / 再髄鞘化 / 修復 |
研究開始時の研究の概要 |
脳梗塞後の機能回復には神経だけでなく血管やグリアなどneurovascular unitを標的とする必要がある。そのうち脳血管ペリサイトは、脳梗塞後にその周囲に増加し組織修復に関与しているほか、認知症や慢性脳虚血に伴う大脳白質病変の病態においても保護的に働く。我々は血管基底膜構成蛋白である細胞外マトリックス蛋白perlecanが、それを促す可能性について検討してきた。本研究の概要は脳梗塞および慢性脳低灌流モデルを用いてperlecanの脳組織傷害後の修復過程における機能を解明し、さらに脳梗塞あるいは慢性脳虚血、認知症に対する新しい機能回復治療法としてperlecanの有用性について検討する。
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研究成果の概要 |
本研究課題の目的は脳血管障害における組織修復・機能回復の機序を明らかとすることである。基底膜を構成する細胞外マトリックス(ECM)蛋白perlecanに着目し、脳梗塞における組織修復過程を検討した。Perlecanは血液脳関門の維持に関わる他、梗塞巣周囲への脳血管ペリサイトの遊走に関与することを明らかとした。さらに脳梗塞後の組織修復過程ではペリサイトが起点となり、オリゴデンドロサイト前駆細胞の分化による再髄鞘化やマクロファージによるミエリンデブリスの貪食が促進された。脳梗塞後の組織修復の促進には、neurovascular unit各細胞とECM蛋白の相互作用が重要であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳血管障害はその後遺症によって寝たきりの原因となる大きな要因であり、急性期治療後の機能回復をもたらす治療の開発は重要である。脳は神経だけでなく、血管系、グリアなどの種々の細胞や細胞外マトリックス(ECM)蛋白などから構成される。本研究課題ではECM蛋白perlecanが、脳梗塞後の血液脳関門の維持や脳血管ペリサイトの活性化をもたらし、ペリサイトを起点として組織修復、機能回復が進むことを明らかにした。今回見出した細胞同士、あるいは細胞-ECM間の相互作用および組織修復機序は、脳梗塞治療の新たな分子標的の開発につながる可能性がある。
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