研究課題/領域番号 |
19K09512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大吉 達樹 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80315407)
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研究分担者 |
栗原 崇 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (60282745)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | FFAR1 / GPR40 / 慢性疼痛 / うつ様行動不安様行動 / 三環系抗うつ薬 / コカイン / セロトニン / 移所運動活性 / In vivo マイクロダイアリシス法 / 線条体 / 依存 / うつ病 / in vivoマイクロダイアリシス法 / 疼痛 / in vivoマイクロダイアリシス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では① 野生型および欠損マウスに遷延性炎症性疼痛あるいは末梢神経障害性疼痛を誘発させ、経時的にうつ状態を評価し、さらに抗うつ薬の効果を検討する、② ①の過程で、経時的に黒質、線条体、扁桃体、前頭前野等の組織を採取し、遺伝子・タンパク質(モノアミン類のトランスポーター・受容体など) 発現解析、遊離脂肪酸測定を行う、③ ②で解析を行う領野からin vivoマイクロダイアリシスを行い、各種モノアミン遊離量を測定し、FFAR1作動薬・拮抗薬投与の効果を検討する、ことを提案する。本検討から、未だ不明点の多いFFAR1の中枢神経機能が新たに明らかになるとともに、新規抗うつ薬開発への応用が期待される。
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研究成果の概要 |
FFAR1 (free fatty acid receptor 1) は遊離中/長鎖脂肪酸を内因性リガンドとするGタンパク質共役型受容体であり、近年我々は、FFAR1がオピオイド-モノアミン系を賦活することで抗侵害作用を示すことを見出した。そこで本研究では、FFAR1は慢性疼痛に伴ううつ様行動に関与するか否かを検討したところ、炎症性疼痛モデル/末梢神経障害性疼痛モデルマウスにおける疼痛様行動をFFAR1欠損マウスの方が強く示し、またうつ様行動を強く呈することなどがわかり、FFAR1は脳内セロトニン遊離を調節することで、疼痛に伴ううつなどの情動行動に関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性痛患者における精神疾患の併病率は、痛みのない一般人と比較して有意に高いことが、様々な疫学調査から示唆されている。しかし、なぜ慢性疼痛が精神状態に負の影響を与えるのか、その詳しいメカニズムは未だ不明である。 そこで我々の研究グループは、疼痛と情動行動に影響を与える分子としてFFAR1に着目し、FFAR1遺伝子欠損マウスでは疼痛症状とうつ様行動が悪化すること、疼痛症状が強く、慢性化しやすい末梢神経障害性疼痛モデルマウスでは、三環系抗うつ薬の薬効が消失していたことなどから、FFAR1は疼痛慢性化と負情動行動発症調節に重要な分子であることが示唆された。
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