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RELA融合遺伝子陽性上衣腫に対する新規治療薬の同定

研究課題

研究課題/領域番号 19K09518
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56010:脳神経外科学関連
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

小澤 達也  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 主任研究員 (80296483)

研究分担者 金子 修三  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (10777006)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2020年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード脳腫瘍 / 上衣腫 / 融合遺伝子 / 転写因子 / DNA結合モチーフ
研究開始時の研究の概要

本研究では、C11orf95-RELA融合遺伝子陽性上衣腫に対する治療標的の同定を次の提案を通じて目指す。
1)C11orf95-RELA融合遺伝子の転写標的遺伝子をマウス上衣腫由来細胞や融合遺伝子発現培養細胞を用いてChIP-Seq解析を行い同定する。
2)実験計画1)より得られた候補標的遺伝子の機能制御をマウス上衣腫由来細胞等において行い、その効果や影響を検討する。
3)上記実験計画1-2)より治療標的として同定された遺伝子や関連シグナル経路に対する阻害剤を用いた前臨床試験を上衣腫マウスモデルにて行い、その抗腫瘍効果を検討する。

研究実績の概要

上衣腫は小児や若年成人に好発する中枢神経系原発性悪性腫瘍であり有効な治療法の開発が必要とされている。昨今の大規模遺伝子解析により、テント上上衣腫の多くにC11orf95-RELA融合遺伝子(RELAFUS)が同定され、実験的に強力な癌遺伝子であることが明らかとなった。従って、RELAFUSによる腫瘍発生機序の解明は上衣腫の治療標的の同定に必須である。本研究では、RELAFUSの転写標的遺伝子の同定を通じて上衣腫発生機序の解明を行った。はじめに、マウス上衣腫細胞とヒトRELAFUS発現細胞を用いてRELAFUS とH3K27acに対するChIP-Seq解析を行い、RELAFUSに特異的なDNA結合領域を同定した。そして、関連する多くの標的遺伝子が転写活性化状態であり、実際にヒトやマウス上衣腫でこれらの遺伝子発現の上昇が観察された。続いて、転写因子モチーフ解析により、RELAFUSはC11orf95部分により認識される特異的なGC-richモチーフを通じて標的遺伝子に結合し、約半数の標的遺伝子の結合領域にこのモチーフの存在が明らかとなった。実際に、レポーターアッセイにてRELAFUSがこのモチーフを認識し標的遺伝子発現を制御すること、また、RELA部分がその転写活性制御に必須であることが確認された。さらに、RELAFUS標的遺伝子には、non-canonical NF-κB結合部位を介したRela標的遺伝子も同定された。そして、マウス上衣腫細胞を用いた抗がん剤スクリーニングにより、RELAFUSの腫瘍発生機序に関連した経路を抑制する薬剤の有効性が示された。以上より、RELAFUSはC11orf95とRELAの双方の標的遺伝子の協調により形成された異常なシグナル経路により上衣腫を誘導していたことが明らかとなった。本研究の成果は、今後の抗上衣腫薬の開発に役立つことが期待される。

報告書

(2件)
  • 2020 実績報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] Fred Hutch Cancer Research Center(米国)

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [雑誌論文] C11orf95-RELA fusion drives aberrant gene expression through the unique epigenetic regulation for ependymoma formation2021

    • 著者名/発表者名
      Ozawa T、Kaneko S、Szulzewsky F、Qiao Z、Takadera M、Narita Y、Kondo T、Holland EC、Hamamoto R、Ichimura K
    • 雑誌名

      Acta Neuropathologica Communications

      巻: 9 号: 1 ページ: 36-36

    • DOI

      10.1186/s40478-021-01135-4

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Phenotypic characterization with somatic genome editing and gene transfer reveals the diverse oncogenicity of ependymoma fusion genes2020

    • 著者名/発表者名
      Takadera Mutsumi、Satomi Kaishi、Szulzewsky Frank、Cimino Patrick J.、Holland Eric C.、Yamamoto Tetsuya、Ichimura Koichi、Ozawa Tatsuya
    • 雑誌名

      Acta Neuropathologica Communications

      巻: 8 号: 1

    • DOI

      10.1186/s40478-020-01080-8

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] THE CRISPR-CAS9 SYSTEM-MEDIATED ENDOGENOUS GENE REARRANGEMENT INDUCED C11ORF95-RELA FUSION IN VITRO AND IN VIVO THAT LED TO THE DEVELOPMENT OF EPENDYMOMA-LIKE TUMOR2020

    • 著者名/発表者名
      Mutsumi Takadera, Tatsuya Ozawa, Kaishi Satomi, Tetsuya Yamamoto, Koichi Ichimura
    • 学会等名
      the 19th International Symposium on Pediatric Neuro-Oncology
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 国際学会

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2022-12-28  

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