研究課題/領域番号 |
19K09523
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
鮫島 哲朗 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00295213)
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研究分担者 |
小泉 慎一郎 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (10456577)
難波 宏樹 浜松医科大学, 医学部, 特命研究教授 (60198405)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 自殺遺伝子療法 / 歯髄幹細胞 / HSV-TK / 肺癌脳転移 / matastatic brain tumor / Stem cell / SHED / bystander effect / thymidine kinase / 脱落乳歯歯髄幹細胞 / Muse-tk細胞 / 抗腫瘍効果 / 転移性脳腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍指向性を有する生体組織由来多能性幹細胞の一つであるMuse細胞を用いた悪性グリオーマに対する自殺遺伝子幹細胞療法の研究開発を行っており、これまでにHSVtk発現Muse細胞(Muse-tk細胞)を用い、強力な抗腫瘍効果と腫瘍指向性について明らかにした。また、マウス脳内に移植したMuse-tk細胞はGCV投与のより完全に消失することから、安全性も示された。今回、悪性グリオーマ以外の脳腫瘍への適応拡大を目指し、肺腺癌による転移性脳腫瘍を治療対象とし、Muse-tk細胞を用いた自殺遺伝子幹細胞療法の有効性を検証すると共に臨床応用に際し必ず問われる正常脳に対する本治療の毒性についての検証を行う。
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研究成果の概要 |
野生型のHSV-TKをSHEDに導入したところ、thymidineの代謝亢進に伴う細胞毒性が出現したため、thymidineを代謝しにくい変異を導入した。改変したHSV-TKを用いることでSHEDに対してHSV-TK遺伝子を安全に導入できることを証明した。SHED-TKはGCVに対して感受性を持っており、bystander効果による抗腫瘍効果も持っていることを証明した。治療モデルでは共移植モデル同様に腫瘍発光の増大が抑制され、マウスの生存期間が延長した。肺癌脳転移においてもTKを発現したSHEDによる自殺遺伝子治療は有効であることが示された。この内容を各種関連学会、論文として投稿した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺癌脳転移に対しては手術や定位放射線治療が選択されるが、制御できないこともある。実 際、原発巣がコントロールされている転移性脳腫瘍患者の生存期間中央値は19.7ヶ月と報告されており、脳転移巣に特異性があり、全身性の副作用が限定的な新規治療法が望まれる疾患である。幹細胞を用いた自殺遺伝子療法はprodrugを使用して腫瘍特異的に抗腫瘍効果を示す点で安全性が高い。
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