研究課題/領域番号 |
19K09530
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
脇坂 義信 九州大学, 大学病院, 講師 (50631694)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 慢性脳低灌流による脳脱髄 / 薬剤誘発脳脱髄 / Nox4 / 脳血管性認知症 / ミクログリア / マクロファージ / アストロサイト / オリゴデンドロサイト前駆細胞 / 慢性脳低灌流 / 脱髄 / 脳血管周皮細胞 / 酸化ストレス / 脳白質障害 / 活性酸素種生成酵素 / オリゴデンドロサイト |
研究開始時の研究の概要 |
慢性脳低灌流では急性脳虚血とは異なり、Nox4は脳白質の脱髄を抑制して脳保護的に作用する可能性が予備的実験から推測されるが、その機序は不明である。 本研究では、慢性脳低灌流の環境下における脳周皮細胞でのNox4発現変化が、①大脳白質障害や運動/認知機能に及ぼす影響を明らかにした上で、②脳白質病変と関わりが強い脳血管周皮細胞の喪失・ BBB破綻・ 脳側副血行の形成良否について、また③再髄鞘化に関わるオリゴデンドロサイトやその前駆細胞の発現・ 増殖・ 分化にどのような変化が起きるのかを明らかにする。そして④低酸素負荷で血管周皮細胞において生じるシグナル伝達機構を解明する。
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研究成果の概要 |
Nox4ノックアウト(KO)マウスでは慢性脳低灌流により、脳梁の高度脱髄、血管新生抑制、オリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)増加抑制、アストロサイト・ミクログリア浸潤抑制、空間認知力低下を認めた。そのためNox4がアストロサイトやミクログリア浸潤を促進させて栄養因子を放出させることでOPC分化・増殖を促し、脱髄を抑制させる可能性が示唆された。ただしcuprizoneによる薬剤誘発性脳脱髄モデルでの検討では、Nox4-KOマウスでは脱髄後の再髄鞘化が促進される結果を認めた。 Nox4による脱髄への影響は2つの脱髄モデルで相反する結果であったがその機序は未だ不明であり今後の検討課題と考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性脳低灌流による脳白質障害は認知症の発症や病態増悪の要因となるが、脳白質障害の発症や進展を抑制する有効な治療法は未だ確立していない。今回、慢性脳低灌流下ではNox4は脳保護的に作用して脱髄の改善を示したが、一方で薬剤誘発性脱髄ではNox4は脱髄遷延をもたらすことを見出した。Nox4による脳白質障害の発症・進展を抑制する機序をさらに詳細に検討し、今後の認知症治療の開発につなげたい。
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