研究課題/領域番号 |
19K09531
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松永 裕希 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (80772136)
|
研究分担者 |
中川 慎介 福岡大学, 薬学部, 准教授 (10404211)
諸藤 陽一 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (40437869)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 血液脳関門 / Rho kinase阻害薬 / 脳卒中 / ペリサイト / アストロサイト / in vitroモデル / In vitro model / Fasudil |
研究開始時の研究の概要 |
BBBの機能的な構築には基本構成単位である脳毛細血管内皮細胞、ペリサイト、及びアストロサイト間のクロストークが不可欠である。本研究ではこれら全ての細胞を組み合わせた複数の共培養in vitro BBBモデルを用いて、病態モデル(虚血、炎症)を作製する。そして現在臨床の現場で脳血管攣縮治療薬として使用されているRho kinase阻害薬(fasudil)と各病態モデルを用いてBBBに与える影響及びその作用機序の解明を行う。このメカニズムを解明することにより中枢神経疾患治療薬の開発、ひいては全く新しい創薬概念である「BBB保護薬」の開発につなげたいと考えている。
|
研究成果の概要 |
本研究ではRho kinase阻害薬であるfasudilのBBB保護効果が実証された。fasudilはタイトジャンクションタンパク質の発現を亢進することによりタイトジャンクション構造を維持、BBBの機能を向上させた。またfasudilは虚血再灌流によって引き起こされる損傷からBBBを保護することが確認された。この保護効果は内皮細胞のみの単培養モデルと、内皮細胞、ペリサイト、アストロサイトによる共培養モデルの両方で確認されたことから、fasudilが内皮細胞への直接的な作用と、ペリサイト、アストロサイトを介して内皮細胞へ間接的に作用する2つの経路でBBB保護作用を有していることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Rho kinase阻害薬であるfasudilは急性期脳梗塞治療で最も重要な虚血後8 時間以内をピークとしてBBB機能を改善した。またこのBBB保護効果は既に実臨床で用いられている血中濃度レベルで濃度依存的に認められた。したがって、fasudilは急性期脳梗塞に対するBBB保護剤として有用であり、かつ安全に使用することが可能であると考えられる。
|