研究課題/領域番号 |
19K09562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
小野寺 勇太 近畿大学, 大学病院, 助教 (30510911)
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研究分担者 |
寺村 岳士 近畿大学, 大学病院, 講師 (40460901)
竹原 俊幸 近畿大学, 大学病院, 助教 (60580561)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 細胞増殖 / 細胞移植 / Tak1 / Hippo Pathway / Lyar / 老化 / 脂肪髄 / プロテオミクス / アンチエイジング / TAK1 / プロテオミクス解析 / 抗ストレス / Hippo pathway / TGFβ / 移植 |
研究開始時の研究の概要 |
間葉系幹細胞(MSC)は現在の再生医療における中心的な細胞材料の一つである。良好な臨床効果が複数報告されている一方で、細胞そのものの性質、幹細胞としての機能がどのように維持されているのかについてはほとんど分かっていない。申請者らはTgfbeta-activated kinase(TAK1)を欠くMSCが殆ど増殖できないという新しい知見を得た。本研究ではTAK1とHippo pathwayとの連関を中心にMSCの増殖制御機構に迫るとともに、TAK1阻害がもたらす静止期同期を応用した新しい移植用細胞調整法の可能性を検討する。
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研究成果の概要 |
骨髄由来間葉系幹細胞(BMMSC)は、多分化能性と自己複製能を有し、有用な分泌因子の産生を行う多能性幹細胞である事から細胞移植治療に利用されている。しかし、細胞増殖における詳細な制御機構は未解明である。本研究は、Tak1が細胞周期の活性化を調節する重要な分子で、BMMSCの細胞増殖に寄与することを示した。リン酸化されたTak1は、Yap1/Tazに結合して安定化し、核への移行を促す。また、Tak1阻害による静止誘導は、細胞移植における酸化ストレス耐性が高まり、BMMSC生着を改善した。本研究は、BMMSCの新規の増殖制御経路を解明し、細胞移植の治療効果を改善する有用な方法だと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果から、Tak1の制御がBMMSCの幹細胞性を維持する上で重要であることが解明された。Tak1はBMMSCの細胞周期の活性化に重要なキナーゼであり、Tak1の抑制が生体内と生体外の両方で細胞周期の静止状態を誘導した。Tak1は、さまざまな成長因子によって活性化される可能性があり、Yap1/Tazの安定化を通じてBMMSCの細胞周期を活性化する。 また、BMMSCにおけるTak1阻害による細胞増殖の静止誘導は、細胞移植時のストレス耐性および生着結果を改善するものであった。したがってTak1は、BMMSCの自己複製に寄与するだけでなく、治療効果を改善するための重要な分子だと考えられる。
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