研究課題/領域番号 |
19K09565
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 愛媛大学 (2020-2022) 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター (2019) |
研究代表者 |
加門 正義 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (90557224)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 疾患iPS細胞 / DM1 / リピート病 / DNAミスマッチ修復 / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
I型筋強直性ジストロフィー(DM1)はリピート病の一つで、DMPK遺伝子の3’非翻訳領域に存在するCTGリピートが異常伸長することが原因である。最近の研究で、異常伸長したリピートがスプライシング異常を引き起こすことが明らかになってきているが、リピート自体がなぜ伸長するのかはよく分かっていない。そこで本研究では、DM1患者由来iPS細胞を用いたリピート伸長の細胞モデルでリピートが伸長するメカニズムの解明を行う。
|
研究成果の概要 |
リピートの伸長メカニズムを明らかにするために、樹立したDM1-iPS細胞をクローニングし、遺伝背景が同一でリピート長のみ異なるクローンを得た。これらのクローンを長期継代培養したところ、リピートの伸長が抑制されているクローンを発見した。リピート伸長抑制クローンとリピート伸長クローンの遺伝子発現を網羅的に比較解析し、得られた候補遺伝子をDM1-iPS細胞で遺伝子操作し、ノックダウンするとリピートの伸長が抑制される遺伝子を同定した。同定した遺伝子はリピート配列に結合し、リピートの伸長に関係すると報告されているDNAミスマッチ修復遺伝子MSH2/MSH3と近接することが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
疾患iPS細胞を用いた研究で治療薬開発の対象となる新遺伝子を同定することができた。同定した遺伝子はリピート配列に結合し、DNAミスマッチ修復(MMR)遺伝子と相互作用することが示唆されているため、本研究でMMR機構がリピートを異常伸長させるメカニズムの一端を明らかにしたとともに、DM1治療薬の対象として有望であることを示した。MMR遺伝子に作用する薬剤だとMMRが阻害される等の副作用が考えられるが、同定した遺伝子を対象にするとリピートの異常伸長に限定した効果が得られる可能性が高い。本研究によって、未だ有効な治療法のないDM1や他のリピート病に対する治療薬の開発に新たな可能性を示すことができた。
|