研究課題/領域番号 |
19K09590
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター) |
研究代表者 |
岩澤 三康 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 診療部・整形外科, 部長 (60574093)
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研究分担者 |
福井 尚志 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 政策医療企画部, 特別研究員 (10251258)
大橋 暁 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 外科系臨床研究室, 医長 (20466767)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 変形性関節症 / 滑膜 / ウロキナーゼ / 膝関節 / 痛み / 膝 / 関節 |
研究開始時の研究の概要 |
変形性膝関節症(膝OA)では、flareと称される、強い疼痛とともに関節裂隙狭小化が急速に進行する状態が時に経験される。本研究ではこのflareがOAの痛みと進行を特徴的に現す状態であると考え、今までに研究室で保存されてきた多数の関節液検体の中で、同一関節においてflareの状態のある時期とflareが収束したのちに採取した関節液を比較解析することによってflareの病態に特徴的な因子を関節液中に見出す。さらにflareの状態にある膝関節から採取した滑膜組織と対照滑膜の遺伝子発現プロファイルの網羅的な解析・比較も行い、これらの結果から、OAの滑膜におけるflareの病態について仮説を見出す。
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研究成果の概要 |
本研究では変形性関節症の滑膜病変について、滑膜病変が高度に現れた状態である滑膜性フレアの症例から採取された関節液の解析によりその解明を試みた。本研究によってフレアの時期には関節液中のMMP-1、2、3およびウロキナーゼの濃度が上昇し、さらにα2プラスミンインヒビター・プラスミン複合体とDダイマーの濃度も上昇することが明らかになった。この結果からOAの滑膜病変に伴ってウロキナーゼが増加し、それによって関節内に線溶活性の亢進が生じる可能性が考えられたが、その詳細や滑膜病変に伴ってウロキナーゼの濃度が増加する機序については研究期間内に明らかにすることができず、それらの解明は今後の課題と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形性関節症は社会の高齢化とともに患者数が増加している疾患であるが、その病態には不明な点が多く、疾患の発症や進行を抑止しうる治療法は確立されていない。本研究では変形性関節症において疾患の進行や症状の発現に大きな役割を果たすことが明らかになってきた滑膜病変について、その病的機序の詳細を解明するために研究を行った。本研究では一定の知見が得られたもののまだ未解明の点も多く残り、その成果が直接疾患の治療に役立つわけではない。しかし本研究で得られた知見は、変形性関節症における滑膜病変を解明するうえで有用なものであって、今後変形性関節症の病態研究を進めるうえで重要な基礎的知見となりうると考えられた。
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