研究課題/領域番号 |
19K09591
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
千本 英一 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (30810593)
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研究分担者 |
萩原 嘉廣 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (90436139)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 関節拘縮 / 五十肩 / 関節包 / ビタミンA / 脂質 / 線維化 / 軟骨化生 / 血管新生 / 低ビタミンA / 関節 / 炎症 / レチノイド / 拘縮 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は, 五十肩(凍結肩)における関節拘縮の病態を, ビタミンA(レチノイド, 脂溶性)の代謝経路に着目して解明し, 新たな治療方法を開発することである. これまで研究代表者らは従来考えられてきた関節包の線維化, 炎症と共に虚血や軟骨化生, 代謝異常も関節拘縮の重要な病態であることを明らかにしてきた. 特に軟骨分化に関与するビタミンAの作用に着目し, 新たな代謝経路の解明, 治療法を目指す. 関節拘縮の新たな治療法としてビタミンAの関与が証明されれば, 新たな治療薬の開発につながり, 食事療法など身近な対応策による予防が期待できる.
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研究成果の概要 |
五十肩は激烈な疼痛と関節拘縮を呈し、患者の生活の質を大きく低下させる。五十肩の病態は関節包の炎症・線維化と考えらえているが、その病態は未だ解明されておらず根本的な治療法もない。研究代表者らのグループでは五十肩患者組織の網羅的なタンパク解析から軟骨化生やビタミンA代謝の低下を新たな病態として提唱してきた。本研究ではラット膝関節不動化モデルを使用し、低ビタミンAの関節拘縮への影響を検討した。低ビタミンAラットの関節包では線維化、軟骨化生、血管新生に関わる因子が増加し、関節包の硬化がみられた。ビタミンA欠乏は関節包に拘縮に関わる変化を生じる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
五十肩の病態は未だ解明されておらず、根本的な治療法もない。本研究ではビタミンA代謝に着目し、低ビタミンAラットモデルを作成し関節拘縮の病態解析を行った。本研究の結果からビタミンAの低下が関節包に線維化、軟骨化生、血管新生および関節包の硬化を生じ、関節拘縮に関与する可能性が示された。ビタミンAと関節拘縮との関連が明らかとなれば新たな治療薬の開発につながるほか、食生活の改善など身近な対応策によって五十肩を予防できる可能性がある。病気を治す従来の治療から予防治療へのシフトが可能となり、医療費の抑制の観点からも社会的意義がある。
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