研究課題/領域番号 |
19K09594
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
波呂 浩孝 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10313264)
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研究分担者 |
安藤 隆 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (10377492)
小山 勝弘 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30313779)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 椎間板変性 / トロンビン / MCP-1 / PAR1 / MMP3 / 椎間板 |
研究開始時の研究の概要 |
腰痛の原因の一つに椎間板変性が関与しており、このメカニズムを解明することは社会的に喫緊の課題である。我々は、血液凝固酵素であるトロンビンが炎症を惹起し、骨肉腫において腫瘍の転移を賦活化すること、骨折治癒過程では、骨芽細胞を遊走し治癒を促進することを示した。椎間板組織においては、先行研究でマウス椎間板にトロンビン受容体(PAR-1)の発現を確認した。本研究では、1)椎間板変性における炎症賦活メカニズムにおけるトロンビンの関与を解明し、2)PAR-1ノックアウトマウスによる椎間板変性抑制効果を明らかにし、その知見を用いて新規分子標的薬の開発研究を行い、臨床に還元し発展させることである。
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研究成果の概要 |
今までに椎間板変性や炎症惹起の起点を視点とした研究は少なく、メカニズムは未解明であった。本研究では、炎症活性化の原因因子の1つとしてトロンビンとPAR-1受容体の活性化システムを解明することを目的とした。研究成果として、1)マウス椎間板におけるトロンビン、TF、PAR1の発現を確認できた。2)トロンビン刺激にてMCP-1の産生促進され、このMCP1がマクロファージの遊走を促すことが分かった。3)細胞内シグナルとしてpAKT, pP42/44が重要であることを突き止めた。4)トロンビン刺激によりMMP3が発現しこれが椎間板変性に関与している可能性を示せた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
椎間板変性は腰痛の原因の一つして考えられているが、治療法は確立していない。本研究のテーマであるトロンビンをターゲットとした治療方法は全く新しい理論であり、手術治療の前段階である中間的治療となり、内服や点滴などの投与法が可能となる。 抗トロンビン薬はFDAに認可されすでに市販されている薬剤であり、本邦でも多くの疾患(血栓症、急性冠症候群など)で使用経験があり、既存の使用量では一定の安全性が担保されている。既存の手術療法/局所注入療法は、施設基準によって脊椎疾患の専門施設に限局される。しかし、抗トロンビン療法は侵襲が低いだけでなく、広く一般の医療機関に安価に行える治療として期待される。
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