研究課題/領域番号 |
19K09613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
千葉 一裕 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 整形外科, 教授 (80179952)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 腰痛 / 椎間板 / 椎間板変性 / 動物モデル / 脊椎腫瘍 / 骨肉腫 / 滑膜肉腫 / コンドリアーゼ / 悪性腫瘍 / 悪性骨・軟部腫瘍 / 腰痛症 / 酸化ストレス / 高気圧酸素療法 / 光線力学的治療 |
研究開始時の研究の概要 |
椎間板変性における酸化ストレスの分子作用機序を解明し、高気圧酸素負荷(HBO)が椎間板変性に関与する各種遺伝子、タンパクに与える影響を検索し、その治療への応用の可能性を検討する。 脊椎感染症・転移の動物モデルを作成し、感染の発症・進展様式を生体内イメージングシステムにより可視化したり、血中腫瘍幹細胞(CTC)の同定法を開発してCTCが局所に遊走・定着し、増殖を始める転移巣成立の分子機序を究明する。これらの知見を元に超早期診断法を確立する。さらに本学で既に臨床応用されている光線力学的治療やHBOと既存の化学療法を組み合わせた脊椎感染症・転移に対する新たな早期低侵襲治療法の開発を模索する。
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研究成果の概要 |
穿刺、放射線照射、コンドリアーゼ注入によるラット椎間板変性モデルの作成を試みた。コンドリアーゼ椎間板注入が最もヒトに類似した変化を生じた。本モデルを用いた抗酸化剤を含めた種々の物質、因子による椎間板変性抑制効果を検討中である。悪性骨軟部腫瘍に対する各種薬剤の抗腫瘍効果を検討した。 トラベクテジンは骨肉腫の肺転移に対し,細胞内のシグナル伝達経路ERK MAP kinaseの活性を阻害し、腫瘍細胞の遊走・浸潤を抑制することで極めて強力な抑制作用を有することが示された.エリブリンは,滑膜肉腫細胞に対し腫瘍内微小血管数を増加させ,腫瘍内低酸素を是正することで強い抗腫瘍作用を示すことが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、椎間板細胞の変性機序そのものに注目してその分子遺伝学的メカニズムを解明し、その知見から特に重要な形質や因子を同定し、機能破綻を来す以前に椎間板変性過程そのものを遅延あるいは停止あわよくば逆行させるという、全く新たな発想に基づくより低侵襲かつ経済的な治療戦略確立の可能性を模索する独創的なものであり、患者のQOLの向上は勿論、医療経済上も大きな恩恵をもたらすものと期待される。また、脊椎腫瘍に関しては、悪性骨軟部腫瘍に対する新規薬剤の抗腫瘍作用を詳細に検討することで、新たな分子メカニズムを解明し、副作用が少なくより有効な新規治療法の開発に繋がるものと期待される。
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