研究課題
基盤研究(C)
高齢者において転倒や骨折に伴う筋損傷からの回復の遅れは、要介護状態への進行の主要原因であり、健康寿命延長のために解決すべき重要課題である。我々は加齢に伴う筋再生能力の低下が骨格筋内環境の悪化に起因することを明らかにしており、老化及び若齢マウスの再生筋組織を用いた網羅的タンパク発現解析から、老化再生筋で発現が顕著に低下し、環境悪化に寄与し得る因子を同定した。本研究では、この因子の筋再生における機能を明らかにし、老化マウスへの補充により筋再生能力を改善できるか否か検証する。
高齢者において転倒や骨折に伴う筋損傷からの回復の遅れは、要介護や寝たきりへの移行原因となり、解決すべき重要課題である。老化による筋再生能力低下の原因を解明するため、老齢及び若齢マウス再生筋の網羅的タンパク発現解析を行い、老化で発現低下する因子を同定した。この因子の欠損マウスでは筋再生遅延が認められた。この因子は壊死線維の除去に働くことが示唆され、欠損マウスは、骨格筋幹細胞の増殖低下や再生筋線維数の減少を示したことから、炎症や壊死線維の残存により再生遅延が生じていると考えられた。本研究は老化による筋再生能力低下機序の一端を解明するものであり、この成果は予防・治療法の開発へと発展が期待できる。
現在、我が国では平均寿命と健康寿命の間に約10年の乖離があり、健康寿命を延伸させることが喫緊の課題となっている。高齢者において転倒や骨折に伴う筋損傷からの回復の遅れは、要介護や寝たきりへの移行原因となり、健康寿命延伸のために解決すべき重要課題である。しかしながら、筋再生能力低下の原因は未だ不明な点が多く、改善方法も確立されていない。本研究は、老齢及び若齢再生筋組織を用いた網羅的タンパク発現比較解析から、これまで筋再生への関与が知られていなかった分子を同定し、老化による筋再生能力低下機序の一端を解明するものであり、この成果は予防・治療法の開発へと発展が期待できる。
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