研究課題/領域番号 |
19K09617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
江面 陽一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50333456)
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研究分担者 |
二藤 彰 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00240747)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 溶骨症 / 骨変形 / 骨吸収 / 細胞骨格 / ビスホスホネート / 治療薬 / 先天性骨系統疾患 / 薬物療法 / 骨量減少症 / 細胞骨格制御 / プロフィリン / ARP2/3 / 破骨細胞 / 阻害薬 / 治療法 / 細胞遊走 |
研究開始時の研究の概要 |
骨系統疾患や慢性関節炎、人工関節インプラント周囲などに生じる溶骨症に対する有効な治療法確立のため、その発症病理として破骨細胞の遊走性亢進に着目し、新たな分子的介入法を探索的に検討する。溶骨症治療法開発へ向けた溶骨症モデルとして、アクチン分子重合を制御する細胞骨格制御因子、プロフィリン1を破骨細胞で欠損するマウスを利用する。そのため破骨細胞におけるプロフィリン1欠損の影響を培養系で検証し、また本遺伝子欠損マウスの溶骨症性病態を詳細に解明する。さらに治療法開発へ向けた探索として細胞骨格制御因子の強制発現系と阻害薬投与による効果を時系列的に解析し、有効な治療法開発の基盤として解明を進める。
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研究成果の概要 |
溶骨症における破骨細胞の遊走性亢進に着目し、生後4週齢で明瞭な溶骨性病変と骨格変形を来す遺伝子(Pfn1)改変マウスとして、破骨細胞特異的にアクチン分子重合制御因子Pfn1を欠損するマウスを用いた。このマウスの骨髄由来培養細胞は細胞融合および破骨細胞への分化を促進することなく、前駆細胞の遊走性を促進して骨吸収活性を高め、その遊走性亢進と骨吸収活性はArp2/3阻害薬で抑制された。5週齢の遺伝子変異マウスが8週齢に達するまでの、週2回のアレンドロネート投与(0.1 mg/kg体重)は長管骨および頭蓋骨の溶骨性病変を著明に改善し、骨格変形を一部改善した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
溶骨症は、慢性関節炎や感染症、骨腫瘍、人工関節周囲にも生じ、先天性の遺伝子変異や化学薬物への曝露によっても発症し、ときに深刻な臨床的問題を引き起こすが、このような溶骨症の治療について、病因別に考慮されることは少なかった。本研究において申請者らは、溶骨症の発症に関わることの多い炎症性サイトカインの誘導する破骨細胞の遊走性亢進に注目し、適切な治療薬による治療効果として、とくに若年期に発症する溶骨症に伴う骨変形への治療効果に注目して検討した。このような視点からの治療薬の効果判定は望ましい薬物療法開発への基盤として学術的に貢献できる意義がある。
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