研究課題/領域番号 |
19K09629
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
弦本 敏行 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (60304937)
|
研究分担者 |
佐伯 和信 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (80195966)
大神 敬子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (80812924)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 骨学 / 皮質骨 / 大腿骨 / 多孔化 / 骨粗鬆症 / 有限要素法 / 海綿骨化 / 骨質 / CT画像 / オステオン / 骨質評価 |
研究開始時の研究の概要 |
皮質骨を構成する微細構造物であるオステオン(骨単位)内のコラーゲン線維の配列特性に関しては、それらの偏光顕微鏡下の形態的特徴とその力学的特性の間には有意な関連性があることが定説となっている。これまで、われわれは、オステオン形態の局在特性に関して解析してきた。本研究では、皮質骨内のX線吸収率分布がこれらの形態学的特性を反映する、という仮説を立てた上でこれを検証し、さらに、通常用いられる臨床用CTで撮影したヒト大腿骨横断画像を用いて、その骨質を判定する方法を提案し、その臨床応用の可能性を検討する。
|
研究成果の概要 |
ヒト大腿骨標本90体、遺体の大腿骨32体をそれぞれ一般CT機器で撮影し、その横断画像データを取得した。CT画像から皮質骨断面内に広がる多孔化領域を定量評価する方法を開発し、これらの画像に応用して、大腿骨の形態学的特性との関連性、性別差に関する検討を行った。その結果、皮質骨の菲薄化が進行した大腿骨においては、皮質骨の骨髄側を中心に多孔化領域が拡大することが確認された。また、有限要素法を用いた解析ソフトを利用して、それら対象大腿骨の生体力学的環境を解析し、形態学的特性との関連性検証の可能性を示した。本評価法は生体に対しても応用可能であることが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトの骨格は皮質骨と海綿骨とから構成される。骨粗鬆症の検査対象は脊椎や大腿骨近位部などの海綿骨が豊富な部分である。一方、全身骨格の約80%を占める皮質骨の評価方法に関しては未だ確立したものはない。大腿骨において加齢に伴って皮質骨厚が薄くなるのに伴って、多孔化領域が拡大する。本研究では、広く普及した臨床用一般CT機器を用いて、大腿骨骨幹部の横断面に存在する多孔化領域に関する定量方法を開発し、それらをヒト大腿骨骨格標本などに応用してその有用性を検証したものである。本評価方法は実際の患者に対しても応用可能であり、骨粗鬆症の新しい評価方法として一般臨床の場において広く普及する可能性があると考える。
|