研究課題/領域番号 |
19K09637
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
森岡 秀夫 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 政策医療企画研究部, 医長 (10230096)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 原発不明がん / 骨転移 / ゲノム解析 / プロテオーム解析 / ゲノミクス / プロテオミクス / 免疫組織化学 / ゲノム医療 / 免疫組織科学 / プレシジョンメディシン / 遺伝子解析 / 分子標的治療 / bone metastasis / primary unknown cancer / genome medicine / precision medicine |
研究開始時の研究の概要 |
原発不明骨転移は明らかに予後不良であり,進行性にがん患者のQOLを低下させる.したがって、原発不明骨転移の病態解明とその治療体系の確立は急務である.本研究では,原発不明骨転移に対する個別化医療としてのプレシジョン・メディシンを目指したがんゲノム医療の基礎的研究を行う,特定の治療法がない原発不明がんの治療法の研究開発は大きく分けて1)遺伝子発現プロファイル/エピジェネティクス解析に基づく原発巣の推定,2)網羅的遺伝子異常解析により,腫瘍化の原因となり治療標的になるactionable遺伝子異常の検索することである.本研究では,これらの手法により,原発巣の推定や原発不明骨転移の病態解明を行う.
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研究実績の概要 |
原発不明がんは原発巣が不明で,組織学的に転移である可能性が高いがんであり,その生命予後は他のがんと比較して明らかに不良である.長年がん研究が,臓器別に行われてきたこともあり,原発巣が特定できないがんを臓器横断的に研究する機会が少なかったことが,予後不良である理由の一つとして考えられる.これらの原発不明がんの中で,臨床的に最も問題になるのが原発不明骨転移である.骨転移で発症した原発不明がんは,病的骨折による痛みや脊髄麻痺で発見されることが多く,進行性にがん患者のADLを低下させる.このためがん患者のPerformance Status (PS) は低下し,発生時から治療選択肢が少なく,系統的薬物療法の機会さえ与えられない患者が多く存在する.したがって,原発不明骨転移の病態解明とその治療体系の確立は急務である.一方,近年のがんゲノム医療の普及により,がんを臓器横断的に治療する考え方が広まっている.本研究では,原発不明骨転移を対象とした臓器横断的治療法開発の一助として,原発不明がんに対する個別化医療としてのプレシジョン・メディシンを目指した原発不明骨転移に対するがんゲノム医療の基礎的研究を行う. 現在,特定の治療法がない原発不明がんに対する治療法の研究開発は大きく分けて以下の方法が考えられる. 1)遺伝子発現プロファイル/エピジェネティクス解析に基づく原発巣の推定 2)網羅的遺伝子解析により,腫瘍化の原因となり治療標的になる臓器横断的actionable遺伝子異常の検索 これらの手法を用いて,原発巣の推定や原発不明骨転移の病態解明を現在進めており,症例に基づく臨床データの蓄積もされつつある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当施設は国の新型コロナウイルス感染症重点医療機関として2019年以降,その治療に多くの医療スタッフを投入し,役割を果たしてきた.一方で,当院は地域がん診療連携拠点病院としての役割があったが,コロナ禍のがん患者の減少があり,その影響はコロナ後の現在でも続いている.これらの影響を受け,本研究の対象である,原発不明骨転移患者の治療機会が減り,研究の遅延に影響した.現在,これらの状況は回復しつつある.
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今後の研究の推進方策 |
現在までの経過を以下に示す. (2019年度)2017年4月以降,当施設で原発不明骨転移と診断された症例の臨床情報および腫瘍マーカー,PETを含む画像所見を後方視的に解析した. (2020年度)2017年4月以降に原発不明骨転移に対して行われた生検材料を用いて,免疫組織化学を用いたタンパク質発現解析(プロテオーム解析)を施行した.組織特有の抗原物質を染色する免疫組織化学では,組織特異的・腫瘍特異的・疾患活動性マーカ-が次々に開発されており,原発不明骨転移がんに関しては,多くの抗体を用いてタンパクの発現解析が可能になっている. (2021年度-2023年度)以上の研究と並行して,タンパク質の解析結果と血液生化学における腫瘍マーカーとの相関解析,症例の蓄積を進めた. 本年度は最終年度として,昨年度まで得られた検体と関連する臨床情報の最終解析を行いつつ,2024年前半の検体を追加し,本研究の取りまとめを行う予定である.
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