研究課題/領域番号 |
19K09647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岩月 克之 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90635567)
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研究分担者 |
下田 真吾 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, ユニットリーダー (20415186)
寳珠山 稔 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30270482)
栗本 秀 名古屋大学, 医学系研究科, 特任准教授 (70597856)
平田 仁 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (80173243)
大山 慎太郎 名古屋大学, 未来社会創造機構, 准教授 (80768797)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 脳機能 / 慢性疼痛 / 疼痛 / 神経障害性疼痛 / 脳機能解析 / 脳波 / 脳磁図 |
研究開始時の研究の概要 |
神経障害性疼痛中枢性感作の病態を解明し、臨床データ、患者立脚型機能評価等を脳機能解析と組み合わせ、客観的な重症度評価を行う。さらに発展させ、一般病院で使用している機器で測定可能なパラメータを利用することにより、臨床の汎用性が生まれる。本研究の目的は、疼痛の種類・重症度別にパターン化可能な客観的指標の解析を行い、最終的には一般病院に還元可能な疼痛評価法およびそのシステムを構築することである。本研究により信頼性の高い疼痛研究の手法が確立でき、病態解明、臨床評価、治療効果判定までが可能となり、疼痛分野における研究を飛躍的に向上できる。
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研究実績の概要 |
本年度は慢性疼痛患者の中で最も難治性である、複合性局所疼痛症候群の患者に注目して研究を行った。複合性局所疼痛症候群の患者に対し脳磁図検査を行った。30秒間の閉眼安静時脳磁図記録を解析した。サンプリング周波数は1000Hzとし、記録周波数帯域:0.2から100Hzで、心電図と眼球運動のノイズ除去を行った。30秒間に生じたα波の包絡線の経時的変化を算出し、包絡線の二次微分値について正・負をそれぞれ興奮性および抑制性作用とし、全脳78機能領域のα周波数帯閾の活動について、各領域の興奮性と抑制性の比を群間で比較した。健常者群と複合性局所疼痛症候群の患者で差がみられた領域は、島皮質、前部帯状回、楔前部などであった。また複合性局所疼痛症候群の患者が自覚する自発痛の強さをvisual analogue scale(0ー100)で取得し、興奮性と抑制性の比と相関する部位を調査した。その結果、島皮質の興奮性と抑制性の比と大きな相関がみられることが分かった。 複合性局所疼痛症候群患者は興奮性と抑制性の比に変化が生じており、このことは難治化の慢性疼痛の病態の一面をとらえている。複合性局所疼痛症候群の患者が疼痛以外の症状を生じる一因には、脳の可塑性変化の影響を受けている可能性があり、本研究を発展させることで、上肢の疼痛難治化のメカニズム解明でき、さらには複合性局所疼痛症候群における多彩な症状についても説明ができるようになると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の流行の影響でやや参加登録などに影響が出たが、現在は通常の研究が行える体制になっている。
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今後の研究の推進方策 |
患者登録、および解析を継続していく
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