研究課題/領域番号 |
19K09661
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所) |
研究代表者 |
比留間 徹 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 部長 (20254188)
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研究分担者 |
宮城 洋平 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所, 所長 (00254194)
大津 敬 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 副技官・主任研究員 (10270696)
笠島 理加 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所, 副技官・主任研究員 (20630875)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 患者由来ゼノグラフト / 脱分化型脂肪肉腫 / PDX / CDK4/6阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
成人の切除不能あるいは再発・転移陽性の肉腫は根治困難で、多くは、延命と症状緩和を目的とする薬物療法として、ドキソルビシンを中心とする汎用プロトコルが選択され、治療の個別化は進んでいない。 本研究では、2系統の樹立済みCDK4陽性DDLSの患者由来ゼノグラフト (PDX)を利用して、ホルモン受容体陽性乳癌の治療薬として上市されたCDK4/6阻害剤を軸に、PDXの特性を利用して初めて可能となる遺伝子発現解析手法(インタラクトーム解析)を用いた網羅的で詳細な肉腫細胞と微小環境の相互作用解析から、進行再発DDLSの根治を目指した新規治療法開発の基礎的概念を確立する。
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研究成果の概要 |
脱分化型脂肪肉腫(DDLS)の手術検体から確立した2系統のPDXマウスに、CDK4/6阻害剤であるPalbociclibを投与し、その腫瘍抑制効果を示した。投与群と対照群の腫瘍から抽出したRNAの塩基配列解析を行ったところ、インタラクトーム解析からはがん細胞(ヒト)と間質細胞等(マウス)の相互作用の大きな変化は見られなかった。一方、がん細胞、間質細胞それぞれで、Palbociclib投与による遺伝子発現変化を指標にしたパスウェイ解析を行ったところ、前者でペントースリン酸系(非酸化的リン酸化を含む)が、後者でRNAポリメラーゼII複合体系で発現の変化が大きかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、CDK4陽性DDLSの患者由来ゼノグラフト (PDX)でPalbociclibの腫瘍抑制効果を示すことが出来た。RNA塩基配列を基にしたパスウェイ解析から、がん細胞ではPalbociclib投与により、ペントースリン酸系(非酸化的リン酸化を含む)、タンパク質ユビキチン化系や低酸素応答系などで、間質細胞では、RNAポリメラーゼII複合体系、アンドロゲンシグナル系やサーチュインシグナル系などで遺伝子発現が変化していた。これらの経路は治療法開発の標的候補となる可能性がある。
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