研究課題/領域番号 |
19K09664
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
神鳥 周也 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50707825)
|
研究分担者 |
池田 篤史 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (50789146)
松坂 賢 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70400679)
河合 弘二 筑波大学, 人間総合科学研究科, 講師 (90272195)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 腎癌 / 脂肪酸伸長酵素 / ELOVL2 / ELOVL5 / 淡明型腎細胞癌 / ELOVL / 脂質代謝 / ELOLV5 |
研究開始時の研究の概要 |
腎癌の代表的な組織型である淡明型腎細胞癌(ccRCC)は細胞内脂質が豊富であることが特徴である。がんにおいて脂質合成が亢進し(脂質の「量」)、がんの生存に寄与することが示されてる一方で、脂質の「質」の役割については未だ不明な点が多い。我々はccRCCの進展に脂質の質的変容が重要な役割を果たすという仮説のもと、脂肪酸伸長酵素であるELOVLs に着目した。本研究ではccRCCにおいて、これらの脂肪酸伸長酵素ELOVLsが脂質の三大機能である生体膜成分、エネルギー源、シグナル伝達分子としての機能に及ぼす影響とがんの増殖や浸潤を促進する機序を明らかにし、新規治療戦略の開発につなげることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
ELOVLは脂肪酸の伸長反応を促進する酵素である。淡明型腎細胞癌(ccRCC)は細胞内脂質が豊富であることが特徴であるが、ELOVLの役割については未だ検討はなされていない。我々は、ccRCCではELOVL2の発現が亢進し、高発現症例では予後が不良であることに着目し、研究を進めてきた。ELOVL2-KO腎癌細胞株では長鎖不飽和脂肪酸及び脂肪滴の産生が減少し、アポトーシスの促進により細胞増殖が抑制されることが明らかとなった。これらの結果は、がんの脂質代謝を介した進展メカニズムにおける新たな知見であり、新たな治療標的となる可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進行腎癌に対しては、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が開発されてきたが、完全寛解に至る症例はまれである。脂質解析技術の発展とともに脂質の質的変容による生理活性が明らかになりつつが、がんの領域では未だ十分な解析が行われていないのが実情である。本研究では脂肪酸伸展酵素ELOVL2,5による脂質の質的変容を介した腎癌の進展メカニズムの解明と新規治療戦略の確立を目的としている。ELOVL2,5-KOマウスは致死的及び臓器形成異常などのphenotypeは認めず、臨床応用の際に有利である。本研究を通じて新規治療法が確立されれば、進行腎癌における治療戦略に重大なインパクトを与えることが期待される。
|