研究課題/領域番号 |
19K09665
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
伊藤 千鶴 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (80347054)
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研究分担者 |
武藤 透 千葉大学, 大学院医学研究院, 技術専門職員 (30422265)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 男性不妊症 / 遺伝子改変マウス / 遺伝子欠損雄性不妊モデルマウス / 中心体関連タンパク質 / ODF2 / DDS-頭部離断精子 / ODF4 / ヘアピン鞭毛精子 / 遺伝子改変不妊症モデルマウス / Odf4遺伝子欠損マウス / Odf4-EGFPトランスジェニックマウス / Odf4レスキューマウス / Odf4-EGFP トランス ジェニックマウス / Odf2遺伝子欠損ヘテロマウス / Odf2ハプロ不全 / DDS-頭尾離断精子 / Odf4-EGFP トランスジェニックマウス / 遺伝子改変男性不妊症モデルマウス / エクアトリン / Odf2 |
研究開始時の研究の概要 |
不妊症の約半分は男性に起因するため、正確な精子機能検査は不妊症の診断と治療に必須ですが、全国共通の評価法はまだ確立されていません。精子が父親の遺伝情報を卵子に運ぶためには、正常形態と運動能を持つだけではなく、先体反応やキャパシテーション、透明帯通過、卵子細胞膜との接着と融合、卵活性化能などの複雑な過程を正常に起こす能力が必要であり、これらを備えたものが良質の精子です。本研究では、遺伝子改変不妊モデル動物を用いて、精子-卵子細胞膜接着-融合に関連するEquatorinと中心体関連分子Odf2および線毛関連分子Odf4を対象に不妊症の原因を解明し、診断と治療に応用することを目的としています。
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研究成果の概要 |
本研究では遺伝子改変マウスを作製解析することによって、①中心体関連分子ODF2をコードするOdf2遺伝子を欠損した雄マウスは、ハプロ不全により精子頭部離断が生じることによって雄性不妊となるが、その離断頭部は生存しており顕微受精によって治療できることができることを明らかにし論文発表した(Ito et al, Sci.Rep.,2019)。②Odf4遺伝子欠損マウスの精子は、余剰細胞質を除去することができないために屈曲変形し、そのために運動障害が起こり卵子と受精できずに雄性不妊が起こることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭部離断精子(DDS)は死滅と診断され治療に使われないが、Odf2遺伝子のハプロ不全が原因のDDSは、精子頸部-中間部間で断裂する新しく発見したタイプのDDSであり顕微授精によって治療できる。ヒトにおいてOdf2-DDSが診断できれば、離断した精子を使うことで治療の道が開けることを明らかにした。Odf4遺伝子欠損マウスの精子は、不妊患者でもよく観察される尾部の屈曲変形(ヘアピン鞭毛)を示す。現在、屈曲変形の生じる詳細なメカニズムを解析中であり、その情報は生殖補助医療に活用できると考えられる。
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