研究課題/領域番号 |
19K09671
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 高知大学 (2022) 鳥取大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
中根 裕信 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (10304205)
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研究分担者 |
小山 友香 鳥取大学, 医学部, 助教 (30827572)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | DNA修復欠損マウス / Xpaマウス / sirt1 / 精子形成不全 / autophagy / SIRT1 / 造精機能障害 / NAD+ |
研究開始時の研究の概要 |
少子化の点からも男性不妊の新たな治療法が求められている。我々は、DNA修復欠損マウス(Xpaマウス)精巣が、老化の促進で造精障害(精子形成ができず不妊)となることを示した。最近、A群色素性乾皮症の患者細胞(Xpa欠損)でNAD+が枯渇し、抗老化遺伝子サーチュイン1(Sirt1)の発現が低下し、変性が進む新病態がわかった。本研究は、NAD+の代謝産物を補うことで、Sirt1発現を維持するNAD+を増やし、Xpaマウス精巣の変性が抑制されるか否かを調べる。男性不妊患者でも同様の病態と考えられる。本研究は、造精機能障害の新病態に基づく治療を行うことで、造精障害の治療法の開発に貢献するものと考える。
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研究成果の概要 |
少子化の点から、男性不妊に対する侵襲性の少ない新たな治療法が求められている。本研究は、一部の男性不妊ではDNA修復異常の報告があることから、造精機能障害の新病態に基づく治療法の開発を目的とする。本研究で、DNA修復欠損マウス(Xpaマウス)の精巣変性がオートファジーの誘導によることを見出し、論文として発表した(Nakane et al, 2020)。また、オートファジー・モニターDNA修復欠損マウス(Xpa-LC3)は、Xpaマウスより早期に精巣病変を生じ、NAD+中間体の影響評価の可能性を見出した。さらに、同マウス精巣での網羅的解析を実施・解析中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は、DNA修復を欠き老化促進を示すXpaマウスを用いたので、抗老化因子の低下によるオートファジーの亢進が見いだせた。本研究の「 造精障害を老化促進ととらえた」着想は、この系の独自性に導かれ他に例を見ない。本研究で使用するNAD+中間体は内在性生理物質で、生体内で常に使用されていて次世代の遺伝情報への影響はないと考えられ安全である(ヒトでも確認)。本研究は、他の造精障害の治療法[再生医療・ 遺伝子導入]と異なり、不妊患者本人の精巣内環境の破綻状態を改善し、造精可能な環境を整え精子形成を維持する治療である。この治療の有用性が示せれば、インパクトは大きいであろう。
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