研究課題/領域番号 |
19K09674
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
向井 尚一郎 宮崎大学, 医学部, 准教授 (10315369)
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研究分担者 |
賀本 敏行 宮崎大学, 医学部, 教授 (00281098)
片岡 寛章 宮崎大学, 医学部, 教授 (10214321)
藤井 将人 宮崎大学, 医学部, 助教 (10794373)
寺田 直樹 宮崎大学, 医学部, 准教授 (60636637)
永井 崇敬 宮崎大学, 医学部, 助教 (60739994)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | HGF / MET / HAI-2 / ヒト化HGFマウス / 肝細胞増殖因子 / 細胞膜結合型セリンプロテアーゼ / 細胞膜結合型セリンプロテアーゼ制御因子 / 腎細胞癌 / 細胞増殖能 / 細胞遊走能 / ヒト化HGF-SCIDマウス / 膀胱癌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、腎細胞癌の骨転移、脳転移および浸潤性膀胱癌について、ヒト癌細胞株を用いてマウスモデルを作成し、解析するものである。解析対象は、細胞膜結合型セリンプロテアーゼ(TTSP)とその基質であるHGFを中心とした増殖因子やプロテアーゼ受容体などの機能タンパクの働きである。次に単独で複数のTTSPに対し阻害効果を持つ、細胞膜結合型セリンプロテアーゼ制御因子(HAI)を用いてTTSPを制御し、腎細胞癌の骨転移、脳転移および浸潤性膀胱癌の新規治療法を確立したい。特にTTSPの基質である増殖因子が豊富な環境である骨髄や脳では、転移巣治療における増殖因子の活性化阻害が有効ではないかと考えている。
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研究成果の概要 |
786-O細胞をヒトHGF産生機能を持つSCIDマウス(以下HGFマウス)とcontrolマウス(通常のSCIDマウス)の皮下に移植してCDXを作成し、増殖能を比較した。その結果、HGFマウスでは有意に786-O細胞の増殖能が亢進していることが確認された。 MET阻害剤とHAI-2の強制発現による786-O細胞の増殖抑制効果をin vitroで検証したころ、MET阻害剤にHAI-2の発現が加わるとより強い増殖抑制効果が確認された。次にHGFマウス皮下に786-O細胞を移植して解析した結果、前実験の結果と同様にMET阻害剤にHAI-2を併用することでより強力に増殖能を抑制することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HAI-2によるHGF/METシグナル系阻害の効果を、HGFマウスを用いた実験系で検証した。MET阻害剤とHAI-2を併用することで、より効果的に腎癌細胞の増殖を抑制することができた。実臨床においてHGFの過剰活性化がMET阻害剤耐性の一要因であることから、pro-HGFの活性化阻害に着目した本治療法は、その対策として有用である可能性が高い。また、HGFマウスとcontrolマウスでは、腎癌細胞の増殖能に明確な差がみられた。この増殖能の差は癌周囲で産生されたHGFの生理活性の違いに依存している可能性が非常に高い。ヒト腎癌細胞株のHGF依存性増殖能を正確に検証する上でHGFマウスは有用である。
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