研究課題
基盤研究(C)
私達はFDG PET/CTを用いることで免疫チェックポイント阻害剤ニボルマブの腎細胞癌に対する抗腫瘍効果をリアルタイムで観察できる可能性があることを報告してきました。そこで、FDG PET/CTによって評価した腎癌患者の血液を解析し、ニボルマブによる抗腫瘍効果をリアルタイムに診断できる血液バイオマーカーを同定し、簡便、低コスト、早期に効果判定をする方法を確立するとともに、抵抗性獲得を誘導する蛋白を同定することで効果予測法を確立し、最終的には免疫チェックポイント阻害剤に対する抵抗性獲得メカニズムを標的とした新たな治療法を開発し、進行性腎細胞癌患者の治療成績の向上に繋げたいと考えています。
免疫チェックポイント阻害剤ニボルマブ投与後1か月目のPET/CT評価によってFDG集積に変化がみられる腎癌病変では4か月目のCT評価においてその腫瘍径が縮小する傾向がみられ、免疫療法のモニタリング方法としてのFDG PET/CTの有用性が期待された。治療開始前、開始1か月後のCRP測定によってニボルマブ投与による無増悪生存期間が予測できること、治療開始前のMMP1、IL-1b、sNTFR-1、IL-6の血中濃度が免疫チェックポイント阻害剤の効果予測に有効であることを示唆する知見を得た。
FDG PET/CTや我々が同定した血液バイオマーカーによって免疫チェックポイント阻害剤の進行性腎細胞癌に対する効果をリアルタイムに判定できればそれぞれの症例において治療継続すべきか変更すべきか適切な判断が可能になり、進行性腎細胞癌患者さんの生命予後の延長が期待できるだけでなく、無効な治療を継続することで生じる生活の質の低下や医療費の高騰を防ぐことにも繋がると考えられた。
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International Journal of Clinical Oncology
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