研究課題/領域番号 |
19K09684
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
関根 芳岳 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (00516370)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 前立腺癌 / スタチン / PARP阻害剤 / プラチナ製剤 / 去勢抵抗性前立腺癌 / オラパリブ / シスプラチン |
研究開始時の研究の概要 |
PARP阻害剤は、去勢抵抗性前立腺癌に対する新規治療薬として注目を浴びているが、現段階では、本邦の臨床試験ではDNA修復遺伝子変異のある患者のみが治療対象となっている。先行研究から、PARP阻害剤による前立腺癌進展の阻害効果が、スタチン併用により、より強くなることが予想された。そこで本研究において、前立腺癌における、PARP阻害剤、スタチン、DNA障害を引き起こすプラチナ製剤との併用効果を明らかにし、新たな治療戦略となりうるかどうかを検討する。また、スタチン以外にもDNA修復遺伝子群の発現を低下させる薬剤をデータベースなどから探索し、さらなるPARP阻害剤の臨床適応の拡大も行いたい。
|
研究成果の概要 |
先行研究にてスタチンによりDNA修復関連の遺伝子発現が低下したから、去勢抵抗性前立腺癌における、PARP阻害剤、スタチン、プラチナ製剤との併用効果を検討した。まず、3剤併用での増殖抑制効果を検討したが、スタチン+オラパリブで増殖抑制果を認め、さらにシスプラチンの投与を追加しても、ホルモン非依存性前立腺癌細胞株の更なる増殖抑制効果は認めなかった。DNA損傷のマーカーであるγH2AX は、スタチン+オラパリブの併用により増加した。以上より、去勢抵抗性に対して、PARP阻害剤とスタチンのようなDNA修復遺伝子の発現を低下させる薬剤との併用が、治療選択の1つになりうる可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前立腺癌患者は、日本において増加傾向にあり、新規治療の開発は急務である。PARP阻害剤は、去勢抵抗性前立腺癌に対する新規治療薬として注目を浴びているが、現段階では、DNA修復遺伝子変異のある患者のみが治療対象となっている。今回の研究によって、高脂血症薬として使用されているスタチンとの併用により、DNA損傷を引き起こすプラチナ製剤の併用の有無に関わらず、治療に難渋している去勢抵抗性前立腺癌に対して、治療効果がある可能性が示唆された。
|