研究課題/領域番号 |
19K09705
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 (2020-2021) 筑波大学 (2019) |
研究代表者 |
河合 弘二 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学成田病院, 教授 (90272195)
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研究分担者 |
西山 博之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20324642)
神鳥 周也 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50707825)
根来 宏光 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80708595)
星 昭夫 筑波大学, 医学医療系, 講師 (90453711)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 膀胱癌 / PLD1 / PLD2 / 腫瘍浸潤 / がん微小環境 / PA / MMP-13 / ホスホリパーゼD / アンギオゲニン / 浸潤 |
研究開始時の研究の概要 |
筋層非浸潤性膀胱癌に対する治療の最大の問題点は、膀胱内再発を繰り返し、さらに再発腫瘍が筋層浸潤性膀胱癌へ進展することである。膀胱癌患者では血液及び尿中においてアンギオゲニン(ANG)が高濃度で存在し、血中ANG濃度が高い症例では膀胱内再発・進展率が高いことが示されている。一方、我々は腎がんでの脂質代謝の研究から、ホスホリパーゼD(PLD)がフォスファチジン酸(PA)を介してANGの分泌を促進し、がんの浸潤を促進することを見出した。本研究では、膀胱癌におけるPLD-PAシグナルを介したANGの制御機構を明らかにし、膀胱癌の進展リスク分類法とその分子経路を標的とした治療法を開発する。
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研究成果の概要 |
我々はPLD1とPLD2のうち、PLD1がNF-kBシグナル経路を介したMMP-13の発現調節を介して、膀胱癌の浸潤を促進することを明らかとした。続いて、がん微小環境におけるPLD1およびPLD2の役割について、マウスBBN膀胱発癌モデルおよびマウス膀胱癌細胞株MB49の皮下接種モデルにおいて、PLD1ノックアウト(KO)群では浸潤性膀胱癌の発生抑制を認めた一方で、PLD2-KO群では反対に浸潤性膀胱癌の発生増加を認めた。今後はこれら2つのモデルを用いて、がん微小環境におけるPLD1/PLD2の役割の解明に向けた検討を行う予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膀胱癌が筋層非浸潤性膀胱癌から筋層浸潤性膀胱癌へ進展するメカニズムのうち、特に脂質代謝を介した経路に立脚した治療戦略は未だ存在しない。本研究により、脂質代謝酵素のひとつであるホスホリーパーゼD1(PLD1)を介した筋層浸潤性膀胱癌への進展に関する新規分子機序が解明された。今後、低分子化合物の開発が進んでいるPLD1を標的とすることにより、膀胱癌のみならず、多くの癌種において浸潤転移を制御する新規治療法の開発への発展が期待される。
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