研究課題/領域番号 |
19K09745
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 関西医科大学 (2021-2022) 北海道大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
森川 守 関西医科大学, 医学部, 教授 (00374380)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | HELLP症候群 / 血小板 / 補体 / 妊娠高血圧腎症 / 遺伝子変化 / 非典型溶血性尿毒症症候群 / 妊娠高血圧症候群 / 血管新生関連因子 / モデル動物 |
研究開始時の研究の概要 |
HELLP症候群は母体および新生児死亡の原因となる重篤な疾患ですが、治療は妊娠の終了しかありません。近年、HELLP症候群の原因として補体の異常活性化が注目されています。HELLP症候群における補体の異常活性化機序の解明のため、胎盤由来の血管新生関連因子を持続投与したHELLP症候群のモデルラットを使用し、血管新生関連因子の過剰が補体の異常活性化を引き起こすか検討します。補体の異常活性化の抑制によるHELLP症候群の治療効果についても検討します。またHELLP症候群患者の血清を採取し、実際の患者においても血管新生関連因子の増加と補体の異常活性化が起こっているか検討します。
|
研究実績の概要 |
令和2年度までに当初の研究計画を全て実施終了(一部不成功により中止)したため、令和3年度から新たに下記の研究を追加実施することとした。 「HELLP症候群ならびに重症妊娠高血圧腎症における補体制御因子の遺伝子変化の探索研究」 HELLP症候群妊婦において、補体の異常活性化が報告されている。HELLP症候群において、エクリズマブ(補体C5に対するモノクローナル抗体)で著しく改善した、という海外からの報告がある。(わが国おいては、エクリズマブ投与はHELLP症候群では保険適用はない。)HELLP症候群ならびに妊娠高血圧腎症では先天的な遺伝子変化が見つかっていない。しかし、非典型溶血性尿毒症症候群の40-60%に補体制御因子の先天的な遺伝子変化(CFH, CFI, CD46, C3, CFB, THBD, DGKE, CFHR5遺伝子のタンパク質コード領域エクソンとその両端のスプライス部位領域)が見つかっている。 臨床ではHELLP症候群と非典型溶血性尿毒症症候群は症状が似ているため、鑑別診断が必要である。したがって、この先天的な遺伝子変化がHELLP症候群ならびに重症妊娠高血圧腎症の妊婦においても認められるかを明らかにする。このことが明らかにできると、新たな有効な治療法を開発することに役立つと考えられる。 本研究を令和3年度から開始し、令和4年3月31日までに3症例、令和5年3月31日までにさらに6症例、合計で9症例のHELLP症候群症例に対して、同意取得の上で、血液検体を採取し補体制御因子の先天的な遺伝子変化を測定した。その際、補体価も同時に測定した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度までに当初の研究計画を全て実施終了(一部不成功により中止)したため、令和3年度から新たに研究を追加実施することとした。 追加研究は、研究者代表が関西医科大学へ移動してから、関西医科大学附属病院の倫理委員会に申請し、審査を経て、病院長より許可を受けて開始した。なお、その間に厚生労働省から「遺伝子治療等臨床研究に関する指針」の一部改訂が行われ、関西医科大学では令和3年6月30日まで新たな研究の申請ならびに審査が中止されていたため、その後の申請ならびに承認となり、研究開始が令和3年10月からと大幅に遅れた。ターゲットとなる遺伝子異常を効率的に捕捉するために特に重症妊娠高血圧腎症症例のうち、HELLP症候群を合併した症例に対象を限定した。一方、新型コロナ禍に伴う外出制限の影響と考えられる自宅安静に伴い、新型コロナ禍以前に比しHELLP症候群の発症率が低下したため、症例の確保に難渋することになった。結果として目標症例数(最低15例)に到達しなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
研究は、令和4年度までの予定であったが、研究機関の1年間の延長を申請し承認を得たため、引き続き令和5年度まで継続して行う。15-20例を目標に行う。 最終的には、補体制御因子の先天的な遺伝子変化の有無とその測定時の補体価やその他のパラメータならびに臨床所見との相関を検討する。 研究成果は英文論文として発表予定である。
|