研究課題/領域番号 |
19K09750
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
中島 彰俊 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (00436792)
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研究分担者 |
島 友子 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (00377285)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 妊娠高血圧症候群 / オートファジー / TFEB / Atg4B / 合胞体化 / autophagy / preeclampsia / ER stress / hypoxia / 妊娠高血圧腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
妊婦および胎児死亡に関わる妊娠高血圧症候群の病因として、胎盤オートファジー抑制が関与することを明らかにしてきた。一方で、現在その予防薬の開発が進んでいるが、発症患者の治療薬はない。そこで、妊婦に投与可能なオートファジー活性化剤の開発は、妊婦健康だけでなく、次世代の子供たちの健康につながる。高齢女性は妊娠高血圧症候群の発症率が高く、晩婚化の進む日本には重要な研究である。さらに妊娠高血圧症候群の母から出生した女児は、妊娠高血圧症候群の発症率が高くなる。長期的観点からも重要な開発である。
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研究成果の概要 |
妊娠高血圧症候群(HDP)は、高齢化の進む日本において増加が懸念させ、その対策は喫緊の課題である。本研究により、HDP胎盤のオートファジー(AtP)不全は、TFEBの機能低下が一つの原因であった。また、リソソーム内加水分解酵素であるβガラクトシダーゼがHDP妊婦血清で低下し、異常凝集蛋白は増加していることが、胎盤形成不全マーカーになり得ることを見出した。さらに、AtP欠損細胞では強い炎症が惹起されやすく、HDPの無菌性炎症の原因であることも報告した。一方、TFEBと共にAtg4B経路の関与も示唆され、これらの結果を元にTFEB・Atg4Bを介したHDP治療法開発を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで妊娠高血圧症候群におけるオートファジー研究には体系的な検討がなされておらず、本研究によりその病態の原因の一つが明らかになったことは、今後の治療法へと繋がる可能性がある。 一方で、妊婦への薬剤投与は母体のみならず胎児への影響から開発が難しい領域であるが、胎盤を介して病態を紐解くことで将来的な妊娠中治療へと繋がると考える。更に超高齢化社会日本ではHDPによって未熟児出生率の増加も懸念されることから(成人後の糖尿病や高血圧の増加とも関連)、HDP治療法の開発により早産を減らすことができれば、ひいては新生児の健やかな発育の基本となるものであり、日本社会にポジティブに作用する研究である。
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