研究課題/領域番号 |
19K09751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
那波 明宏 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (90242859)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 腫瘍溶解性ウイルス / 卵巣癌 / 抗癌剤 / 葉酸受容体 / インドキシル硫酸 / 化学療法 / パクリタキセル / プロトン-葉酸共輸送担体 / シスプラチン / 1型単純ヘルペスウイルス / 抗がん剤 / 腎毒性 / 尿毒素 / SLCO2B1 / FRα / 葉酸 / シクロデキストリン / 分子標的薬 / PCFT / がん幹細胞 / 癌微小環境 / 化学療法抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣癌症例の約半数が進行癌で、多くの場合、治療後に化学療法抵抗性となった癌が再発するため、化学療法に代わる治療法の開発が火急の課題である。また、再発卵巣癌においては、治療標的として有望な癌幹細胞(CSC)のマーカーも明らかになっていない。 腫瘍溶解性ウイルスは、癌細胞のみを破壊するウイルスの総称で、従来の治療薬に抵抗性の癌細胞を傷害できることから、再発癌に対する治療薬として期待できるが、CSC特異的に感染する性質はない。 本研究では、再発卵巣癌におけるCSCマーカーの同定、並びに、CSCマーカーを感染標的としてCSC特異的に感染・破壊する腫瘍溶解性ウイルスの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
再発卵巣癌の多くが化学療法抵抗性であるため、化学療法に代わる治療法が求められている。腫瘍溶解性ウイルス(OV)療法は、様々な固形癌に対する局注接種で優れた治療成績が報告されている。卵巣癌の腹膜播種においては播種巣の一つずつに接種することは難しいため、卵巣癌細胞を標的化しているOVの腹腔内接種が望ましいが、卵巣癌においては治療標的が同定されていない。蛍光色素FITCをアダプターとして遺伝子改変操作を介さずに様々な分子を標的化できる改良型OV(FOV)の作成を試みた。また、卵巣癌治療標的としての葉酸受容体α(FRα)の有用性の検討とともに、抗癌剤によって卵巣癌が増悪する可能性について検討を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FRα標的薬である葉酸シクロデキストリンは、FRαだけでなく、プロトン依存性葉酸トランスポーター(PCFT)も標的化することが示唆された。ヒトPCFTは小腸や肝臓などでも発現すると報告されており、FRα標的薬はこれらの臓器を標的化してしまう可能性が考えられた。他方、シスプラチンはマウスに急性腎障害を引き起こし、血中にインドキシル硫酸(IS)を蓄積させること、IS投与マウスにおいては卵巣癌の増殖および転移が促進されることが示唆された。ISは芳香族炭化水素受容体(AhR)を介して卵巣癌細胞のシグナル伝達を異常制御しており、AhRを阻害することで抗癌剤による卵巣癌の増悪を抑制できる可能性がある。
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